【旅館ホテルのおもてなし 95】旅館ホテルのこれからの役割(2) 大谷 晃


●“体験型ツーリズム”のおすすめ
 これからは、五感で味わってもらう、いわゆる自分の身体で体験する”体験型ツーリズム”がポイントとなります。

 ツーリズムとは単なる名所旧跡の観光をいうのではなく、もう少し広い意味の事柄を指します。現地に行かないとできない、例えば、タケノコ掘り、山菜取り、いちご狩り、みかん狩り、ぶどう狩り、トマト狩り、お茶摘み…。そば打ち、うどん打ちなども含まれます。

 現地の人にとっては身近にある野菜や果物であっても、旅館ホテルを訪れる人にとっては普段スーパーマーケットでしか目にできない物ですし、それを自分の手で収穫できる喜びはひとしおです。

 旅館ホテルによりますが、収穫した物を厨房の道具を借りて調理できれば、参加者による食事会も開け、よりいっそう楽しんでもらえます。

 さらに、その土地で採れる(獲れる)野菜、魚、イノシシなどの動物、また、その土地で造られる酒、しょうゆ、みそなどは、現地を訪れなければ口にできない”現地限定品”で、それこそがごちそうです。

 「現地でしか味わえないきのこ鍋を食べにいらっしゃいませんか」「自家製のしょうゆとみそを使った山菜料理です。ぜひ、召し上がってください」などのうたい文句は、都会のお客さまの関心を引くことでしょう。

 その土地で作られる物をその土地で食する、いわゆる「地産地消」は産地を活気づける原動力にもなります。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。     

 
 
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