客船「ガンツウ」が大阪港初寄港 せとうちクルーズ 2泊3日のツアー実施


 「海に浮かぶ、ちいさな宿」をコンセプトに、せとうちクルーズ(広島県尾道市、梅田幸治社長)が瀬戸内海で運航している豪華客船「ガンツウ」が大阪港に初入港し、8月21日、初入港記念式典と報道機関に向けた内覧会が行われた。22日と26日には特別航路として、大阪湾を周遊する2泊3日のツアーを実施した。

 大阪・関西万博や大阪IR(統合型リゾート)開業などを控え、国際観光文化都市を目指す上で、ラグジュアリー層向けのコンテンツ開発や舟運の活用を図りたい大阪観光局と、瀬戸内の文化とも関わりが深い、交易都市・大阪の文化の成り立ちをツアーに取り入れたいせとうちクルーズの思惑が一致して実現。

 2017年就航のガンツウは3階建て客船で、客室数17。総トン数3013トン、全長約81メートル、全幅約14メートルの規模。本家屋を思い起こさせる切妻屋根の船体が特徴で、船内は木をふんだんに使い、全室テラス付きとなっている。

 船内のどこからでも海を見ながら寛ぐことができるほか、夜は寄港せず、沖合などにいかりを下して、海上で一夜を過ごせるのも魅力的だ
 1室のみの最上級客室「ガンツウスイート」(定員2人)は90平方メートルあり、ベッドから船の前方の景色が見渡せる。今年7月からは、定員3人という「テラススイートプレステージ」(90平方メートル)2室が稼働。このほか、船内にはオープンデッキ、カフェ&バー、スパエリアなどを備えている。安全上の観点から15歳以下は乗船できない。

 記念式典には大阪市の横山英幸市長、大阪観光局の溝畑宏理事長が出席。横山市長は「明石海峡を越えて大阪にやって来たガンツウは、大阪の新たな海の時代に突入していただくための先陣を切ってくれた」と述べ、ベイエリアの活性化に一役買うと期待をにじませた。

 溝畑理事長は「大阪港を母港に、舟運という分野で瀬戸内と連携しながら送客、周遊させるというのは、今後の都市発展を考える上で非常に重要なテーマ」との考えを示した。

 また、ガンツウの吉田挙誠総支配人は「明石海峡を越えるのは初めて。地域の皆さんとともに歩み、期待に応えていきたい」とあいさつした。

 大阪特別航路は北前船の栄華と大大阪時代の足跡がテーマの2泊3日の旅。いずれも満員という。22日の「華やかな大大阪時代の足跡を辿(たど)る3日間」の旅行代金は2人1室で最低90万円(2人1室)からで、ガンツウスイーツは140万円となっている。


日本家屋を思わせるガンツウの船体

 
 
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