【VOICE】「旅先納税」が開く新しい旅のスタイル 株式会社ギフティ 常務執行役員 森悟朗氏


森氏

国内旅行市場に
大きなビジネスチャンス

 ギフティは、eギフトを軸として、人、企業、街の間に、さまざまな縁を育むサービスを提供している。そのひとつが、旅前・旅先でのふるさと納税を実現する「旅先納税」だ。2019年より提供を開始し、25年8月末時点で、全国107自治体に採用されている。

 一般的なふるさと納税では、返礼品として、海産物やブランド肉といった各自治体の特産品が自宅に届くケースが多い。ギフティの「旅先納税」は、返礼品として、出張や旅で訪れた街のお店で1円単位で利用できる電子商品券をスマートフォンで受け取ることができる新しいかたちのふるさと納税だ。寄付してから、返礼品が届くのを待つ必要はなく、寄付は、スマートフォンとクレジットカードがあればどこからでもでき、即座に宿泊・飲食・体験等を楽しめる。

 「旅先納税」は、都道府県および市町村の自治体単位での導入の他に、自治体をまたいだ周遊観光型の地域で活用できるソリューションとしても注目されている。複数自治体が広域連携のもと、共通返礼品として、寄付先の自治体以外でも利用可能な電子商品券を発行する取り組みを、これまでに京都府北部地域の7自治体等5エリアで活用されている。

 「旅先納税」が適しているエリアとして、魅力ある観光コンテンツを持つ地域があげられる。例えばスキー場では、リフト券や食事、宿泊費に使えるケースなどもありメリットがわかりやすい。スキーは単価が高く、長く滞在する傾向もある。税控除を受けながら、地域の応援もでき、アクティビティを存分に楽しめる。

 円安や物価高騰により、海外旅行が難しくなる中で、国内旅行に目を向ける旅行客は増えており、観光業界にとっては大きなチャンスとみている。国内旅行をより賢く楽しむ手段として、次年度の税控除を受けながら返礼品の電子商品券で旅を楽しめるというメッセージが訴求できれば、地域を直接現地で応援するという体験も新しい旅の楽しみに加わり、国内旅行市場の拡大につながる可能性がある。

 ふるさと納税に伴う寄付は1兆円を超え、その3割に相当する返礼品関連市場は3千億円規模にのぼる。「旅先納税」を活用することで、サービス産業にも新たなビジネスチャンスを引き寄せることができる。ふるさと納税対象者のうちふるさと納税を実施していない方の割合は84%程度で、市場はまだブルーオーシャンだ。ギフティとしても、全国の自治体の約15%に当たる250自治体程度にネットワークを広げることを目標に、「旅先納税」のさらなる普及、および地域経済活性化を目指したい。


森氏

 
 
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