【口福のおすそわけ 567】コリアンタウンでサムギョプサル! 竹内美樹


 東日本最大のコリアンタウンといわれる、東京新大久保に行った。大久保通りから職安通りに抜ける通称「イケメン通り」に入り込んだ途端、韓国にワープしてしまったのかと思うほど、狭い通りはハングル文字だらけ。日本で2003年から放映された韓流ドラマ「冬のソナタ」がキッカケとなった韓流ブームに乗って発展、観光地化したという。だから少しでも韓流ファンの女性客を増やしたいと、美男子韓国人スタッフを配した店が増えたことで、「イケメン通り」の名が定着したようだ。

 さまざまな韓国グルメの店が軒を連ねるこの通りに、お目当ての店「熟成肉専門店ヨプの王豚塩焼・新大久保本店」がある。3階建て3フロア計120席の大バコだ。エントランス左手の壁にはめ込んだガラスの向こうに、たくさんの肉が並んでいる。ガラスには「熟成室・肉の旨(うま)味を引き出し中っ!!」の文字が。店内にも同様な熟成室が設えられていた。中の肉は、東京食肉市場で最高値で取引される岩手県産銘柄豚「岩中豚(いわちゅうぶた)」。最新技術の熟成室で最適な温度・湿度を保ち、14日間熟させているという。同店の看板メニューは、この肉を使った「熟成サムギョプサル」。社長のヨプ氏が研究を重ねた結果たどり着いたという、肉汁を閉じ込めるのに最適な3・5センチメートルの極厚肉が登場する。

 ここでチョットおさらい。サムギョプサルって? 豚バラ肉を焼いて食べる、韓国風焼肉のこと。豚バラ肉は三枚肉とも呼ばれるが、韓国語でサムは数字の3、ギョプは層、サルは肉を意味するそうだ。味を付けずに焼いた三枚肉を、塩やタレ、味付けみそサムジャンなどと共に、サンチュやエゴマなど葉菜類で巻いて食べる。キムチやニンニクを入れて味変もOK♪

 話を戻そう。いろいろ選べるランチセットをオーダー。4人で2人前ずつ内容を変えてシェア。いただいたのは、熟成サムギョプサル、キムチやサラダなど付け合わせ5品、アサリだしの効いた海鮮スンドゥブチゲ(豆腐入りの辛いスープ鍋)、トッポギ(甘辛く味付けた韓国餅)、チーズキムチチヂミ(韓国式お好み焼き)、白飯、片方はプラス料金でとびっこ入りのチュモッパ(丸い韓国式おにぎり)、サラダとサンチュは食べ放題、赤白ワインもそろったゴキゲンなドリンクバーが付いて2400円!

 同店では、スタッフが肉を焼いてくれる。必ずレーザー温度計で鉄板の温度を測り、220度以上になってから焼くという徹底ぶり。極厚肉をハサミで切り分けながら焼いていくと、最後は一口サイズに。アンデス山脈の標高3700メートルの湖から採取した天然塩で食せば、脂のうま味・甘味が引き立ち、外側は焦げ目がついてカリッカリ、肉はジューシーで、超ベリウマ♪

 公式サイトを改めて見ると、ミョンイナムル(行者ニンニクの葉漬け)で肉を巻いて食べると美味、と推奨されていた。あの長い葉で巻くとは思わなかったが、次回はぜひトライしたい。また行かなくちゃ!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
 
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