
菅原氏
記念行事の開催と、
そこからの観光振興へ
このたび、JR大船渡線が開業100周年を迎えました。この大船渡線は、東日本の大動脈である東北本線の一ノ関駅が、沿岸3都市である大船渡市、陸前高田市、気仙沼市との結節点となる路線であり、沿線各駅からの多くの学生や仕事場への足として重要な生活路線であります。
またそれら三陸沿岸の観光地や、名峰室根山、蔵の町千厩町、そして同じく名勝指定100周年となる日本百景の猊鼻渓といった沿線の観光名所を持つ観光路線でもあります。
以上のことから一関市は、昨年度当観光協会に対し、100周年祝賀の機運醸成事業を委託。主に地元住民に対してのPRでしたが、のぼり旗や横断幕、歓迎手旗を作成、さらには貸し切り団体臨時列車ツアーなどを実施しました。
そしていよいよ本番となる今年、当協会はこの100周年を祝う次の事業を行っております。まずさまざまな団体が祝賀の記念行事を計画していることから、それらイベント情報を一括で紹介し、さらには沿線の見所、そして歴史も紹介するポータルサイトを構築しました。製作には地元の一関高等工業専門学校の5年生が立ち上げたベンチャー企業「Imanect」が携わり、若い力や考えを大きく取り入れました。
また開業日となる7月26日には始発駅である一ノ関駅で開業100周年を祝う「ドラゴンレールフェスティバル」として、記念入場券の販売や記念シールの配布、さらに一関修紅高校の生徒と創業135年を迎える地元一関の駅弁製造会社の斎藤松月堂が連携して100周年記念弁当の販売などを行いました。また観光列車「ひなび」もこの日と翌日、大船渡線を走り、一関文化センターではJR東日本のトランヴェールにコラムを執筆中の人気作家・柚月裕子先生の記念講演会も開催しました。
この他、当観光協会とJR東日本によるコラボ企画として「エキタグ」というスマホアプリのデジタルスタンプラリーも大船渡線版の運用を開始しました。さらに9月より岩手県が日本で初めてとなる「重点共創エリア」に指定されたことと関連し、11月下旬に大船渡線の貸し切り臨時列車も予定しております。テーマは「居酒屋列車」。気仙沼市と連携し、大いにこの路線を盛り上げてまいります。
大船渡線の今年の100周年は、まずは「一ノ関駅―摺沢駅間」です。再来年には千厩駅、そして4年後には気仙沼駅、終点の盛駅の100周年は10年後とまだまだ続きます。そして「三陸の旅はここから」をスローガンに魅力あふれる三陸沿岸へのアクセス拠点として、またこの大船渡線を次世代につながる財産として大いにPRし、精進してまいりたいと考えております。
菅原氏