
新型コロナウイルスの感染が全国的に広がっている。観光業界に大きな痛手となったコロナ禍の悪夢が再び起きないことを願うばかりだ。筆者の周辺にも幾人かがコロナに感染した。
厚生労働省は7月29日、全国約3千の定点医療機関から8月18~24日の1週間に報告された新型コロナの新規感染者数は3万3275人だったと発表した。1機関当たり8・73人で10週連続で前の週を上回っているという。
新たな変異株「ニンバス」(NB.1.8.1)が猛威をふるっている。アジアを中心に広がり、国内では3月に初めて確認された。
世界保健機関(WTO)は警戒すべき変異株のレベルを三つに分けており、ニンバスについては一番下の「監視下の変異株」に位置付けている。とはいえ、油断はできない。またぞろ変異して、より強いウイルスになるかもしれない。
ニンバスの特徴は、これまでの新型コロナの症状でもある(1)熱(2)せき(3)倦怠(けんたい)感に加え、(4)かみそりの刃を飲み込んだような激しいのどの痛みが大きな特徴とされる。
感染は人の移動が多くなるお盆や正月の時期に増え、その後、徐々に落ち着く傾向がある。子供たちの夏休みも終わり、2学期が始まる。感染防止に努めたい。
人との接触が増えるこれから、増加する恐れもないとはいえず、引き続き警戒する必要がある。病院や高齢者施設には再び面会規制を厳格化したところもあると聞く。
新型コロナの感染症法上の位置づけは、季節性インフルエンザなどと同じ5類に引き下げられている。喉元過ぎれば、ではないが、気の緩みがあることは否定しようがなく、手洗いやうがいなど、基本的な感染対策を心がけたい。
今回の感染拡大は、猛暑により窓を閉め切ったままエアコンを使うなどしているため、十分な換気ができていないのが影響しているとの指摘もある。
窓を定期的に開けたりして、常に新鮮な空気を室内に入れる。また、風邪のような症状がある時は、早めに医療機関に相談すべきだ。
不特定多数の人が訪れる旅館・ホテルではフロントに消毒液を置いたりしているところもある。コロナ禍の時の体制にすぐ戻れるよう、準備はしておきたい。
ニンバスに感染しても重症化の恐れは高くないとはいえ、できれば痛い思いはしたくない。コロナが完全に収束していないことをしっかり認識しよう。
変異株「ニンバス」が猛威をふるっている(写真と本文は関係ありません)