
子どもたちがデザインしたぬいぐるみを病院で操作し、アクションや多言語でコミュニケーションした
「こんにちは」の声とともに、ぬいぐるみロボットが「ぺこり」。8月22日、大阪・関西万博で、入院中の子どもたち「ホスピタルジュニア」がアバターやぬいぐるみ型ロボットを使って、病室から海外からの来場者をもてなす取り組み「おもてなしホスピタルジュニア」が開催された。
おもてなしホスピタルジュニアは、大阪の産官学でつくる「Hello!おもてなしジュニア実行委員会」(会長=溝畑宏・大阪観光局理事長)が主催。病院で治療中の子どもたちが、ぬいぐるみ型ロボットやアバターなどの先端技術を使って万博に遠隔参加し、ホスト役として世界中から集まった万博の来場者をもてなす。万博のコンセプトである「未来社会の実験場」の考えの下、誰一人取り残さない共生社会の実現に向けた挑戦として、神戸大学医学部附属病院小児医療センターのほか、同志社大学、追手門学院大学、などが協力して実現した。
この日は同日に行われた国連パビリオンのナショナルデーに合わせ、子どもたちが外国人ゲストに折り紙などを教えたり、紙相撲を行ったりして交流する万博の公式プログラム「Hello! おもてなしジュニア」の一環として、大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」リボーンステージで実施。
病室から操作される子どもたちのアバターが、会場の大型モニターを通じて来場者にあいさつしたり、日本文化の紹介をしたりしたほか、ホスピタルジュニア自身がデザインしたアバターグッズをお土産として贈呈。
またホスピタルジュニアの分身として来場させた、おにぎりや動物などのかわいらしい見た目のぬいぐるみ型ロボットを使い、来場者と記念撮影やあいさつなどの交流を行ってもてなした。
このうち子どもたちがデザインしたおにぎりや猫などのぬいぐるみロボットによるおもてなし企画を担当した、アバター研究を専門とする追手門学院大学の高橋英之准教授は「万博という大きなイベントに病院に居ながらにして貢献できるというのは、子どもたちにとっても前向きな思い出作りになる」と話し、アバターやぬいぐるみロボットの社会実装の可能性への期待感を語った。
このほか当日は、高知県との「よさこい踊り」の共演なども実施。アバターたちがステージ上のスクリーンでよさこいを踊る姿も見られた。
子どもたちがデザインしたぬいぐるみを病院で操作し、アクションや多言語でコミュニケーションした