
田中さん
JRホテルグループ(三林宏幸会長=日本ホテル社長、90ホテル)は21日、社内料理コンテストを東京都内で開いた。全国の加盟ホテルから18人が出場。厳正な審査の結果、「仔羊のロースト ジュダニョーとミントのオイル」を手掛けた田中新悟さん(ホテルグランヴィア京都)が優勝者に輝いた。
優勝した田中さんの作品
同コンテストは、JRホテルグループの調理スタッフのスキル向上を目的に2003年に開始し、今年で21回目。参加資格は40歳以下の社員で、調理経験や役職は問わない。
今回の課題は仔羊を使ったプロヴァンス風のオリジナル西洋料理(温製)。調理時間は2時間以内で、副材料を組み合わせた創作料理が求められる。審査は、三林会長らによる試食審査(①味②独創性・アイデア③盛り付け④素材の生かし方⑤料理の完成度<温度含む>)、各エリア代表総料理長らによる技術審査(①調理技術②作業の進め方③経済効率④衛生知識⑤衛生全般)の計10項目に基づき、総合得点で順位を決定した。
同日、ホテルメトロポリタン(東京都豊島区)で開かれた表彰式で優勝した田中さんは「一番悔いの残る出来だった中で悔しい思いもあるが、評価していただけたことにとてもうれしく思う。自信をもってさらに上を目指してやっていければ」と笑顔で受賞の喜びを語った。
笑顔でトロフィーを手にする田中さん
講評で三林会長は「料理はホテルにお越しいただくお客さまに幸せや笑顔をお届けする魅力を持っている。地域の食材を使うことによって地域活性化にもつながる大変意義深いもの。結果を問わずコンテストでの刺激を今後に生かしてほしい」と述べ、出場者にエールを送った。
三林社長
日本ホテル特別顧問でホテルメトロポリタンエドモント統括名誉総料理長の中村勝宏氏は「総合的なレベルや質が高まっている。甲乙つけがたい料理が圧倒的に多かった」と高く評価。ソースの重たさなど技術面での具体的なアドバイスをした上で、「このコンテストはチームワークだと思う。総料理長や先輩が助言し、一緒になって料理を作ることで、ホテル全体のレベルアップが図れる。(最終的には)JRホテルグループ全体のレベルアップになる」と述べ、個人と組織の成長に期待を込めた。
中村特別顧問
表彰式後の懇親会では、仲間のホテルスタッフが受賞者をたたえる姿や、出場者が審査員に積極的に質問し、作品のアドバイスを受ける様子もみられた。
組織の一体感を生んだ料理コンテスト(前列右、3番目から三林会長、田中さん、中村特別顧問)
優勝者を除く各賞の受賞者は次の通り(敬称略、カッコ内は所属ホテル)。
準優勝=酒井誠友(THE OSAKA STATION HOTEL,Autograph Collection)▽第3位=角谷拓治(東京ステーションホテル)▽第4位=小池真吾(メズム東京、オートグラフコレクション)▽第5位=勝本陸来(ホテルグランヴィア大阪)▽アイデア賞=石井由貴(JRタワーホテル日航札幌)▽デザイン賞=錦織隼(ホテルグランヴィア岡山)▽技術賞=早川翔紀(ホテルアソシア高山リゾート