
分散化、補助制度に期待も
これまでのように修学旅行を続けていけるのか―。日本修学旅行協会(日修協)の第18回教育旅行シンポジウムが19日、東京都江東区の日本科学未来館で開かれた。テーマは「持続可能な修学旅行に向けて」。物価高騰による旅行費用上昇、貸し切りバスや宿泊施設の手配困難など、修学旅行をとりまく環境が大きく変化する中、学校、地域、旅行会社の担当者などが実態を説明し、課題解決へのヒントを探った。
「修学旅行をとりまく学校内外の環境は今までと大きく変わってしまった。これまでのように修学旅行を続けていけるのか」。コロナ禍後の現状について、日修協の竹内秀一理事長はそう語った。
2024年度に実施された修学旅行の実施率は中学、高校ともにコロナ禍前の数字に戻っているが、物価高騰に伴う旅費の上昇などが、旅行先、交通機関、現地での活動、宿泊施設、宿泊日数などに影響を及ぼしている。
修学旅行を巡る課題では、修学旅行費用の高騰として、(1)これまでの旅行費用でこれまでの旅行先にすると活動内容が薄くなる(2)旅行費用を上げれば、保護者の負担増、生徒の不参加につながる(3)自治体が定める修学旅行費の上限内での前例踏襲は困難―を挙げた。
人手不足やインバウンド増加などの影響もあり、貸し切りバスや宿泊施設などの手配困難、費用上昇、学習活動先の混雑や交通渋滞なども課題となっている。また、旅行会社についても、学校側からの見積もり依頼や、入札に応じる事業者が大幅に減少している。
学校内の環境も変化している。教員の働き方改革が修学旅行の実施に影響しているほか、保護者も、修学旅行の教育効果や費用負担について合理的な説明を求める意識が高まっているという。
学校の事例
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