
加宮氏
水辺周辺の関係機関と協力 コーディネート機能を発揮
4月13日に大阪・関西万博が開業し、はや3カ月が経過した。1970年以来55年ぶりとなる大阪での開催は、われわれ「水都大阪コンソーシアム」にとっても非常に喜ばしいことであり、大歓迎したい。
大阪は古来、水運に支えられ、経済と文化の中心的都市として発展し、“水の都大阪”と呼ばれてきた。2001年、大阪府、大阪市、そして経済界がともに提案した「水の都大阪再生構想」が都市再生プロジェクトに採択され、21世紀にふさわしい水辺の魅力づくり、水都再生が加速した。
水の都大阪再生構想は、中之島、東横堀川、道頓堀川、木津川からなるロの字の川を「水の回廊」として再生し、大阪全体の活性化を目指すものだ。大阪府や大阪市、経済団体、舟運団体などで構成する大阪の水辺のにぎわい創出を担う任意団体として、17年に水都大阪コンソーシアムが設立された。
私が某民間企業から経済団体を通じ、コンソーシアムメンバーとなり、もうじき3年目を迎える。コンソーシアムにおいては、中之島公園や八軒家浜を中心に四季折々に水都大阪ウイークや水上ミニ花火を開催し、水辺のにぎわい創出を行っている。
また、SNSやホームページなどを通じて、水都大阪の魅力を国内外に情報発信している。水都大阪をより多くの方々に知ってもらい、足を運んでいただくためにも、今後特に注力していきたいのが、水辺周辺のさまざまな関係者・団体との関係構築だ。
水の回廊周辺には、ホテルや美術館、舟運事業者をはじめ、大学、小・中学校の教育機関、中央公会堂やこども本の森、大阪ドームなど、多種多様な関係者・団体が存在する。われわれコンソーシアムがコーディネート役になり、水辺関係者同士の交流促進や共同イベントの開催、関係者同士のマッチングなどを行うことで、ムーブメントを起こし、ゆくゆくは水の回廊全体で国内外の観光客を受け入れ、おもてなしする態勢を構築していく必要性を感じている。
昨年10月からスタートしたコンソーシアムのメルマガ「水都大阪便り」には、われわれだけでなく、水の回廊周辺の関係者・団体の水辺活性化・にぎわいづくりに資する取り組みも掲載しており、非常に好評いただいている。
1社・団体でできることは限りがある。そのためにも、お互いを知ると同時に、定期的に情報交換を行うなど、水辺関係者・団体が関係構築しやすい仕組みづくりを急ぎたい。
今後の水都大阪の取り組みにぜひ注目いただきたい。
加宮氏