
平田英人氏
独自のサービスでレベニュー業務を大幅に削減
ダイナミックプラス(東京都新宿区)は「価値と価格を科学する」ことをテーマに、2018年6月に設立。
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スポーツの領域を皮切りに、高速バスやレジャー施設など多くの業界に向けて需要に応じて価格を弾力的に変動させ、利益の最大化を図る「ダイナミックプライシングサービス」の活用を提唱するなど、SaaS事業を多岐に展開。
宿泊市場に対しても、旅館などホテル向けに特化したレベニューマネジメントシステム「D+」を昨年10月から展開する。
社長の平田英人氏にサービスの詳細や、今後の事業展開などを聞いた。
――宿泊市場の現状および、ダイナミックプライシングの実態についてどのように捉えているか。
東京・大阪といった都市圏を中心にインバウンドの増加により、活況を呈している。
AIを駆使したダイナミックプライシングの活用も全国の宿泊施設に広がっていると考え、新たな収益源の確保として関心を集めている。
――ホテルなど宿泊施設向けに展開する「D+(ディープラス)」の説明を。
顧客ごとに最適化されたAIモデルによるダイナミックプライシングを活用し、最適価格の算出から価格更新までを一貫して支援する点が最大の特徴。
他社システムはサービス利用・導入日からのデータ連携からAIによる価格の算出が行われることが主流であるが、「D+」は2年間分の過去データを元にサービス導入前にAIモデルを作成する。
施設のPMSやオンライン予約サイト、サイトコントローラーとのシステム連携を図ることで、在庫・販売状況をリアルタイムで自動取得し、最適な料金を導き出す唯一無二のシステム。
レベニュー業務を効率化・自動化することで、約7割の業務時間を削減するとともに、価格の反映まで完全自動化することで、最大100%の業務時間の削減も可能だ。
――競合他社(施設)や近隣イベントなどの完全自動の情報収集機能を搭載しているが、そちらについては。
当社の株主であるチケット会社が販売する日本全国で開催されるイベント情報のデータを網羅すると同時に、天候などの独自に持つ外部データを組み合わせて、完全カスタマイズしたシステムを構築するなど、一線を画す。
急激な需要増加に対応する独自のブースト機能や、最大13カ月先まで表示する主要KPI管理BIツールを搭載し、利便性を追求した。
――今後の事業展開と旅館・ホテルへのメッセージを。
今年8月末現在、老舗旅館やビジネスホテル、リゾートホテルなど約40軒で採用されている。「D+」を活用し、価格更新作業の約30%を削減し、前年比で売り上げを約10%向上させた施設も存在する。
今後5~10年以内に1万施設での導入を目指す。
【本社】東京都新宿区下宮比町2の26 KDX飯田橋ビル 6階6―3号室
【設立】2018年6月1日
【事業内容】ダイナミックプライシングサービス「D+」の提供、レベニューマネジメントサービス「Revenue+」の提供、数理分析・AIを用いた価格周辺領域のコンサルティング業務、組み込みソフトウェアの開発・保守
【資本金】7億5000万円 【TEL】03(5213)4155
【HP】https://www.dynamic-plus.com/
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平田英人社長