【体験型観光が日本を変える408】戦後80年、夏の過ごし方 藤澤安良


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 戦後80年の節目の暑い夏がやってきた。8月6日、広島原爆の日の平和記念式典には過去最多の120カ国・地域の大使ら約5万5千人が参列した。松井広島市長の平和宣言や湯崎広島県知事のあいさつも印象的であった。

 また、15日の戦没者追悼式でも、天皇のお言葉や総理の式辞があった。平和への意識が高まったと聞いて取れる文脈があった。今後は戦争経験者も体験談を話せる人も減少の一途をたどるだけである。どのように次代につなげていくのか大きな課題である。

 夏休みは後半に差し掛かった。猛暑が続いたかと思えば、日本のどこかで線状降水帯の影響で豪雨になっている。とりわけ九州や能登半島では被害が大きかった。

 猛暑で熱中症警戒情報が出て外出を控えたり、豪雨で避難したり、お盆は道路も交通も宿泊施設も混雑し過ぎたり、活発に動けるはずの夏休みの行動が制限されることになった。

 日本人はお正月に神道信仰者になり、初詣に神社に参る。クリスマスにはキリスト教徒になる。私も、帰省し墓参りをした。お盆は仏教徒になるのである。

 今年は8月9~17日までの9日間に分散したこともあり、東海道新幹線に限っては、その真ん中あたり12~14日はそれほどでもなく、結果は満席であったが座席の確保ができた。

 お盆休みという言い方から、7~9月までの間にとればいい夏休みの分散化、欧州の8週間には及ばずとも、4週間程度にするなど職場においての夏休みの長期化、お盆も、夏休みをとる日にちの概念も大きく変える時が来ている。

 同時に、労働生産性を上げなければ賃金も国際競争力も上がってこない。長期の夏休みも夢のまた夢で終わりかねない。労働生産性の第一歩は働く意欲である。

 詐欺、強盗、窃盗、転売などが横行している今日、容易に多額の金を得たいとする輩がなんと多いことかと情けなく思う。真っ当な仕事は大変で面倒なものであるからこそ報酬が得られるのである。それから逃げず正面から向き合う姿勢が生きる上では不可欠である。

 戦後80年を回想するドラマや映画を見るたびに、戦争の悲惨さと、戦中戦後に生きた人々の労苦は現代の比較になりようもない次元であることが分かる。私たちが、戦後80年で学ぶべきはその先人の労苦があっての戦後復興であり、高度成長であった。

 社会課題が山積し本当の平和とは言い切れない現代の日本だが、平和ボケしているのかもしれない。子供たちの夏休みはどうなのか。60年前の私の時代と変わらず、宿題を後半で追い込みややっつけ仕事になっていたり、親が手伝ったり、半世紀を超えても進化していない。同じだと共感している場合ではない。計画的に着実に学習することを徹底すべきである。

 その教育とシステムが求められている。戦争が起こり続けている世界、温暖化が進む地球、耕作面積と後継者の少ない日本、人口減少が著しい日本、地方が滅びつつある日本。今こそ、突きつけられている課題から逃げずに立ち向かう日本人が求められている。

 
 
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