シニアの旅行実施率回復 じゃらん調査 若年男性の回数増 2024年度


【表のキャプション: 出展=じゃらん観光国内宿泊旅行調査2025 】

 リクルートのじゃらんリサーチセンター(JRC)が7月29日に開いた「観光振興セミナー2025 関東・甲信越Meeting」で、JRCの主席研究員・森戸香奈子氏が「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2025」の調査結果を発表した。2024年度における国内宿泊旅行の実施率や平均旅行回数、旅行費用などの傾向について解説。実施率や旅行回数は前年度から微減になったものの、シニア世代の旅行実施率は回復傾向に。旅行回数は、20代までの男性に増加傾向が見られた。

■実施率
 2024年度の国内宿泊旅行実施率は49.3%で、23年度(49.5%)から0.2ポイント減少。40代までの男女はすべて前年度比で減少となった。

 実施率が最も高かったのは18~29歳の女性で、唯一6割を超える62.7%。このほか18~29歳の男性や30代の女性などは5割台となった。

 また70代は、男性が前年度比5.0ポイント増の50.4%、女性は同4.3ポイント増の46.6%と大きく回復。森戸氏は、コロナ禍で旅行控えをしていたシニア層の旅行需要が回復し、「旅行需要が平準化してきたと捉えることもできる」とした。
 
    
■平均旅行回数
 24年度は2.76回で、23年度から0.04回減少した。ただ、18~29歳の男性は3.44回で、23年度から0.25回増加。30代男性になると2.47回となり、男女全世代で最大の減少幅となる前年比0.2回減となった。森戸氏は、シニア世代の旅行が顕著だった10年前に比べ、若年層の旅行機会が増加傾向にあると強調した。

■宿泊数・宿泊プラン
 24年度全体では、「1泊」が57.7%、「2泊」が26.9%で、1泊2日旅行が依然として多かった。一方で「ひとり旅」の旅行者を見ると「3泊」が10.2%、「4泊」は3.8%など、比較的長期の旅行を楽しむ傾向も見られた。

 宿泊プランでは、24年度全体では「1泊2食付き」が41.0%、「1泊朝食付き」が28.9%、「素泊まり」が27.1%、「1泊夕食付き」が2.5%を占めた。特に素泊まりプランを選ぶ人を性別・年齢別にみると、18~29歳の男女に多く、同行形態でみると「ひとり旅」「恋人との旅行」「友人との旅行」に素泊まりが多いことも分かった。 
 
■1人当たり旅行費用
 1回の国内宿泊旅行にかかった費用総額は、全旅行者の平均で大人1人当たり6万4100円(23年度から3500円増)。宿泊・交通・現地消費いずれも23年度から増加し、宿泊・交通費は3万7千円、現地消費は2万7100円。1泊当たりの宿泊費は1万3600円で、23年度から800円増加した。また、個人旅行における宿泊費は1万9700円となった。

 18~29歳の男女は、昨年に引き続き現地消費額が高い(宿にお金をかけない)傾向が強く見られ、特に男性は現地消費に3万1900円を費やすことが分かった。一方、60代以上の男女では宿+交通費に多く支出する傾向にあることが分かった。

 
■旅行に行かなかった理由
 「何となく旅行をしないまま過ぎた」(26.6%)が最も高く、次いで「旅行に興味がなかった」(23.2%)、「家計の制約で旅行にお金がかけられなかった」(22.0%)が続いた。上位3項目の順位は前年度から変化はないが、「旅行に興味がなかった」「家計の制約で旅行にお金がかけられなかった」がそれぞれ増加。
「将来が心配で支出を抑えたかった」も微増となり、経済的な理由に加え将来不安から旅行控えをする傾向が見られた。

 
 
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