【EXPO2025特集】石川県、万博で「石川の日」を開催 祭りと食文化で復興と感謝を発信


加賀鳶梯子登り(金沢市・加賀鳶梯子登り保存会)

 石川県は、大阪・関西万博会場で特別イベント「石川の日」を8月27日から開催する。今年1月の能登半島地震や夏の豪雨で被災した同県が、復興支援への感謝を込めて伝統文化や食文化を世界に発信する。31日まで。

伝統芸能が万博会場に勢ぞろい

 27日はEXPOアリーナ「Matsuri」で「石川の日祭りイベント」が催される。「いしかわの祭り~未来へつなぐ伝統と能登復興の響き~」をテーマに、加賀・能登を代表する祭りが一堂に会する。

 注目は七尾市の「お熊甲(くまかぶと)祭」。約400年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定されている。天狗面をつけた猿田彦の先導で、男衆が高さ約20メートルの真紅の旗を掲げ町内を練り歩く祭りだ。「島田くずし」と呼ばれる旗を地面すれすれまで傾ける妙技は見どころ。

 自宅が半壊する被害を受けながらも参加を決意した丸山善広さん(能登なかじま枠旗祭実行委員会企画担当)は「祭りの文化を絶やしてはいけないという声が多く、震災には負けないというパワーを感じた。多くの方々に助けられたことへの感謝を、万博の舞台で伝えたい」と語る。

 このほか「飯田燈籠山(とろやま)祭り」「あばれ祭り」「おかえり祭り」など県内20団体、総勢1000人以上が出演。加賀鳶梯子登りの演技や、パリ五輪ブレイキン日本代表の大能寛飛さんも出演するなど多彩なプログラムが展開される。

お熊甲祭(七尾市・能登なかじま枠旗祭実行委員会)

加賀鳶梯子登り(金沢市・加賀鳶梯子登り保存会)

 

石川の食文化を五感で体感

 27日から31日までは西ゲートゾーンEXPOメッセ「WASSE」で「石川の日食文化イベント」も開催。県内の若手トップシェフ3人が能登・加賀の旬の食材を用いた「万博限定メニュー」を提供する。

 また、世界大会で優勝経験を持つジェラート職人・柴野大造氏による「マルガージェラート」が登場。能登の食材を生かした万博限定のオリジナルフレーバーなど6種が提供される。

 このほか、地元蔵元による地酒セミナーや和菓子職人から学ぶ和菓子づくり体験など、石川の食文化を「見て」「食べて」「触れて」楽しめる機会が用意される。

 石川県文化観光スポーツ部文化振興課の浜田大志専門員は「能登の祭りは、地域の方々にとって魂の拠り所ともいえる存在であり、復興の象徴。全国から寄せられた支援が、前を向く大きな力になった」と話す。

 「石川の日」を通じて、被災を乗り越え前進する石川・能登の姿を国内外に発信する。会場では震災でも奇跡的に無傷だった輪島塗大型地球儀「夜の地球 Earth at Night」も別会場で展示されており、復興のシンボルとなっている。

 
 
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