
伊賀にぎわいパートナーズは27日、三重県伊賀市に伊賀流忍者体験施設を開業する=写真。伊賀鉄道伊賀線上野市駅徒歩3分の場所に立地。2コースの忍者体験を提供するほか伊賀焼を使った食事も楽しめるようにする。宿泊可能な忍者部屋も3室用意する。同施設を核に、同市中心部の観光活性化などを目指す。
ヒト・コミュニケーションズ(吉綱敏明代表)などでつくる同企業体が22年9月から43年3月まで受託する「伊賀市にぎわい忍者回廊整備に関するPFI事業」の一環。
多くの忍術流派をまとめた忍術書の集大成「万川集海(ばんせんしゅうかい)」をテーマに、伊賀流忍者の神髄を体験できるコンテンツを提供する。新横浜ラーメン博物館などを手がける相羽高徳氏が空間プロデュースを行った。
同市指定有形文化財である「成瀬平馬家長屋門」をエントランスとして使用。長屋門の奥に新設した4階建ての施設には、忍者体験用の遊具エリアと、レストラン「伊賀流忍者饗膳」、お土産ショップ「万川堂」、宿泊用忍者部屋「陰陽宿」が入る。
忍者体験2コースのうち「忍修殿」は忍び装束を着用し、45種類の忍術から8~12個の忍術を体験する約2時間のコース。体験終了時には「忍修殿修了書」を受け取ることができ、繰り返し訪れることで、修了忍術の記録を増やせる仕組み。料金は大人6千円、小人4500円。
もう一つのコース「魔堅窟巡り」は、音声ガイドを聞きながら、「万川集海」の忍びの教えを学ぶもの。体験時間は約20分で、料金は大人2千円、小人1500円。
レストランでは、城を模したオリジナルの伊賀焼の土鍋を使った料理を提供。伊賀牛や地元の米や野菜、地酒などを味わえる。
陰陽宿は2人利用の忍者部屋3室からなる。風呂も備えており、忍者体験と食事とセットで利用できる。料金は2人1室10万円から。
PFI事業では、坂倉準三氏設計の旧上野庁舎を活用した宿泊施設「泊船(はくせん)」やカフェの整備なども実施。新施設を起爆剤にした中心市街地の市民による利用促進や観光誘客を進める考えだ。
伊賀流忍者体験施設