【体験型観光が日本を変える407】続く酷暑、観光にマイナス 藤澤安良


 猛暑の夏が続いている。40度を超えるところが相次ぐなど、7月の平均気温が史上最高を記録した。8月も暑い日が続くとの予報が出ている。夏休みなのに、熱中症の心配などあまりに暑すぎるのは行楽や観光に大きなマイナスになる。

 また、カムチャツカ半島付近で大きな地震があり、その影響で、数千キロ離れた日本各地に津波警報や注意報が出され、海に面した地域は避難指示が出た。店は臨時休業し、宿泊施設はキャンセルが相次ぎ、電車や航空便は運休や欠航となった。

 さらには、台風9号、10号と相次いで関東に接近。上陸はしていないものの、風雨が強まり、海も山も厳重な注意が必要となった。夏の定番の祭りや花火にも影響している。自然現象が夏休みの生活に水を差す結果である。

 観光の場合、過ぎた日の商品は消えてしまい取り戻せない。自然現象を業績未達の言い訳にしてもらちが明かない。常に、成長戦略を持ち増売戦術を駆使しなければならない。

 一方で、6~7月の降水量が例年になく少なかったために、ダムの貯水量は極端に少なく、米などの農作物への影響も懸念されている。公営プールも休業するところが出ている。節水も呼びかけられ始めている。夏の涼は梅雨の雨水に頼っていたが、温暖化時代の対策が求められている。

 今年の夏はヒロシマ・ナガサキの被爆地、15日の終戦記念日と、それぞれに戦後80年の慰霊の日を迎える。改めて、戦争のない平和な世界を求め続けなければならない。平和は人類全てが求めるものであるが、とりわけ、観光は平和の上に成り立つ産業である。

 参院選が終わってから3週間がたとうとしているが、選挙の与党過半数割れの責任論を巡って、自民党は石破総裁の辞任を要求する動きと、続投すべきとする動きが党内を駆け巡っている。

 そんな中で、米国との関税が15%となり、業績悪化や賃上げに影響を及ぼす懸念がある中、与野党それぞれの公約の、給付金はやるのか、消費減税はどうするのか、社会保険料は引き下げるのかなど、あまり議論が進んでいない。

 国民が選択した民意はどうするのか。給付金は莫大な労力と事務経費が掛かり有効的な政策ではない。減税も高額消費者の方に恩恵が大きい。社会保険料の引き下げは分かるが、抜本的に社会保険制度を再構築しなければならない。いずれも、課題が多い。

 とにかく、手取りを増やすとか、実質賃金を上げるとか、所得向上なしには国民の暮らしは豊かにはならない。ガソリン暫定税率廃止に向けた合意のように、超党的な議論を行い国民にとって有効な政策を急がなければならない。

 党派や個人の利益や、保身、面子、立場、金の欲が強すぎて国民に寄り添っても向き合ってもいない政治家がなんと多いことか。今回の選挙で選挙に民意が反映する手ごたえがあったと認識した人は少なくないはずである。

 次の選挙では、議員の言動に対する評価がさらに厳しくなるであろう。豊かな自然を持つ地方の活性化に貢献する政策を期待したい。

 
 
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