稲沢市ご当地グルメによる経済効果、3年間で約1億円


 「華麗なるまち 稲沢」をテーマにカレーによる町おこしを推進している愛知県稲沢市は8月1日、稲沢市観光協会が令和4年度から実施しているご当地グルメ開発事業の広告換算額が3年間で約1億円に達したと発表した。テレビやラジオなど各種メディアへの露出効果を広告費に換算した金額で、市の知名度向上に大きく貢献している。

メディア露出効果、年々増加

広告換算額の調査は、文教大学国際学部国際観光学科の青木洋高専任講師と共同で実施。令和4年4月から令和7年3月までの3年間を対象に、各種メディアに取り上げられた回数と効果を集計した。

 その結果、テレビ8回、ラジオ4回、新聞21回、雑誌・Web6回の計39回のメディア露出があり、広告換算額は9950万610円に達した。メディア別の内訳は、テレビが約7509万円で全体の75.46%を占め、次いで新聞が約1436万円(14.43%)、雑誌・Webが約554万円(5.57%)、ラジオが約451万円(4.54%)となっている。

 年度別の掲載・放送数をみると、令和4年度は7回、令和5年度は13回、令和6年度は19回と年々増加。特にテレビ露出は令和5年度の2回から令和6年度には6回へと大幅に増えている。

 

「カレーなるまち稲沢」広がる

 稲沢市と観光協会は令和4年度から「華麗なるまち稲沢」をテーマにご当地グルメ開発を進めてきた。市内各店舗がカレー料理のメニュー開発を行い、通常の店舗やキッチンカーで提供。令和5年11月4日と令和6年11月3日には「稲沢カレーフェスティバル」を開催し、多くの来場者でにぎわった。

 今年も11月2日に「稲沢カレーフェスティバル2025」を開催予定で、25店舗程度の出店者を募集している。参加店舗は「稲沢らしさ」を取り入れたカレー料理を少量かつ安価で提供することが条件となっている。

カレーフェス2024の様子

 

「カレーの聖地」目指す

 青木洋高専任講師は「3年間という比較的短期間にもかかわらず、約1億円もの広告換算額に達したことは、地域プロモーションの観点からも意義のある成果だ」と評価。メディア露出の増加要因として、参画店舗の増加やイベントの開催、話題づくりといった継続的な取り組みを挙げている。

 また「稲沢市のご当地グルメには、料理の種類に関係なく地域の飲食店が参入できる一方で、『稲沢らしさ』を取り入れることが条件となっている」と説明。このことにより、メディア露出の中でカレー以外の稲沢の魅力も発信され、地域資源と結びついて価値を高める効果があるとしている。

 青木氏は「継続的な取り組みとその効果の検証を重ねることで、稲沢市のご当地グルメが地域住民にさらに親しまれ、地域外からの来訪者にとっても魅力的なコンテンツとして定着するだろう」とコメント。今後も活動を積み重ねることで「稲沢市が『カレーの聖地』として広く認知されていくことが期待される」と述べている。

稲沢市のアドバイザーを務める文教大の青木氏

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