【交通トレンド分析290】日本発のハワイ便は全て夜行便だが、朝便があったら面白い 鳥海高太朗


 6月上旬に1年ぶりにハワイを訪れたが、昔から疑問に思っていることがあった。それは日本からハワイへ向かう便は全て夜出発の夜行便で、ホノルルには同日の午前中に到着するスケジュールとなっている。夜早い便と夜遅く出発する便の違いはあれど、日本からの便は全て夜行便となっている。

 20年近く前に聞いた話では、ハワイはツアーに参加する日本人旅行者が多かったことで、現地のツアー参加者を受け入れる側が短時間にまとまって入国した方が受け入れしやすいという話を聞いたことがあった。

 ホノルルの空港では、他の空港の到着ロビーと大きく異なるのはツアー客などのグループ用の出口と個人客用の出口に今でも分かれている。税関を通過した後、ツアー客などは左に進み、個人客は右に進む。この状況は私が知る限り、30年以上は同じ導線になっている。

 コロナ前からであるが、ハワイを訪れる観光客の個人旅行化が進んでおり、他の旅行先に比べればまだまだツアー参加者の比率は高いが、リピーターを中心に個人で航空券とホテルを別々に手配する人が増えるなど、他の海外旅行先同様にFIT化が進んでいる。マイレージを使った特典航空券、さらには外資系ホテルチェーンのポイント利用での宿泊も多い。

 ハワイへは、ANA、JAL、ZIPAIR、ハワイアン航空、デルタ航空など複数の航空会社が就航し、多くの便数が飛んでいるものの、日本発は全て夜行便になっているのを崩してくれる航空会社が出てきてほしいと思っている。

 現在の夏ダイヤをベースに考えると、仮に羽田空港を朝8時半に出発する便があれば、ホノルルには前日の夜21時ごろに到着することが可能だ。入国審査などを考えるとワイキキのホテルへのチェックインが夜22時半~23時ごろになるが、そのままホテルで寝れば、翌朝から動くことが可能となり、到着日の睡魔から解放される可能性が高いだろう。

 日本を朝出発する便が新設されれば、ホテル代が1泊余計にかかるが、夜行便を避けたい人を中心に一定の需要はあるだろう。

 しかしながら、折り返し便の運航が難しい可能性があり、仮に24時にホノルルを出発すると羽田空港には深夜3時半の到着となってしまう。深夜1時出発で羽田空港朝4時半着くらいであれば可能かもしれないが、時差と飛行時間のバランスからだとオペレーション的には大変だと思うが、スケジュール重視の人にとってはありがたいだろう。

 現在、検討している航空会社は特になさそうだが、今飛んでいない時間帯に新設する航空会社がぜひ現れてほしい。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
 
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