旅館・ホテルの景気DI 2年5カ月ぶり40台 帝国データ調査 業種別4位に後退


 帝国データバンクがこのほど公表した今年7月の景気動向調査で、旅館・ホテルの景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は前月比2.1ポイント減の49.6と、3カ月連続で低下するとともに、2023年2月(48.0)以来、2年5カ月ぶりの40台となった。51の業種別では前月の2位から4位に後退した。

 全業種計は前月比0.1ポイント増の42.8と2カ月連続で改善。「国内景気は、個人消費には依然弱さが残るものの、自動車を中心とした製造業の生産回復がけん引し、わずかに上向き傾向が続いた」(同社)。

 旅館・ホテルのDIは、昨年11月に60.0を記録。今年1~6月は全ての月で50台を記録するなど好調に推移。業種別順位は1月から順に1位(55.4)、2位(52.8)、1位(53.9)、1位(54.8)、1位(52.4)、2位(51.7)と、全て2位以内だった。

 旅館・ホテルの低下について同社は「猛暑による利用者の減少や消費者の節約志向の高まり」などを背景に挙げている。

 同月に判断の分かれ目の50を上回ったのは51.9の電気通信、51.7の情報サービス、50.8の放送の3業種。

 ほかの業種を見ると、娯楽サービスが前月比1.6ポイント増の46.8。飲食店が同1.0ポイント増の45.6。運輸・倉庫が同0.6ポイント増の42.9。

 10の業界別では、全てが50未満だった。旅館・ホテル、飲食店などを含めた「サービス」が48.3と最も高かった。「製造」(38.9)、「小売」(同)、「卸売」(39.5)、「その他」(37.9)は30台だった。

 前月から改善したのは建設、製造、小売、運輸・倉庫の4業界。

 10の地域別では7地域で前月から改善した。このうち北関東は同1.2ポイント増の41.3と2カ月連続で改善。「国内観光客の需要が堅調」などの声が聞かれた山梨の改善幅が大きかった。

 景況感について、企業の主な声は次の通り。

 「夏になっても需要が衰えない」(現在、良い、一般乗用旅客自動車運送)。
 
 「観光客増加によるホテルリネンサプライ需要の増加」(現在、良い、リネンサプライ)。
 
 「インバウンド需要が多く、売り上げを維持している」(現在、良い、じゅう器小売)。

 「山形新幹線の故障などによる運休や乗り換えの不便、天候不順により外出が抑制されている」(現在、悪い、旅館)。

 「海外旅行の回復がみられない」(現在、悪い、旅行業代理店)。

 「夏休みと秋の行楽シーズン、11月以降の松葉ガニ漁解禁に期待」(先行き、良い、旅館)。

 「インバウンド需要は継続すると考える」(先行き、良い、一般乗用旅客自動車運送)。

 「物価が安定し、政治も安定することで旅行需要も高まることを期待」(先行き、良い、旅行業代理店)。

 「観光業の落ち込みはすぐには起こらないと考える」(先行き、良い、各種商品小売)。

 「円安や原油高、戦争など不安定な世界情勢の影響が続く」(先行き、悪い、旅行業代理店)。

 「物価高により個人消費が鈍化する状況は続く見込み」(先行き、悪い、一般貸し切り旅客自動車運送)。

 
 
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