
「二階名誉会長感謝の集い」の様子
全国旅行業協会(ANTA、近藤幸二会長)は8月21日、今年6月の定時総会をもって名誉会長に就任した二階俊博氏の功績に感謝する「二階名誉会長感謝の集い」を帝国ホテル(東京都千代田区)で開催した。政界や業界団体の要人が多数出席。二階氏と長い交友関係を持ち、元プロ野球選手で世界少年野球推進財団理事長の王貞治氏や、小池百合子東京都知事も駆け付け、二階氏との思い出を共有した。
先見性や実行力、強力なリーダーシップに感謝の声続々
冒頭あいさつしたANTAの近藤会長は、「二階名誉会長は、われわれの会長を33年間勤めていただいた。わが国の成長産業の柱は観光だ。『地方創生の切り札は観光である』といわれる業界に成長した。これも二階名誉会長の33年の努力、強いリーダーシップ、そしてカリスマ性によるもの。改めて敬意を表するとともに、感謝を申し上げたい」と述べ、引き続き業界への支援を要請した。
あいさつする近藤会長
続いて行われた来賓のあいさつでは、元経済産業大臣で、国土強靭化研究所代表理事の林幹雄氏、国土交通省事務次官の水嶋智氏、日本旅行業協会(JATA)会長の髙橋広行氏など、多くの業界関係者が登壇。二階氏との思い出を振り返った。
林氏は、二階氏の高い先見性を強調し、複数のエピソードを披露。2008年の観光庁発足や、コロナ禍で実施された国内旅行需要喚起策「Go To トラベルキャンペーン」での思い出を振り返り、さまざまな政治的局面での即断・即決力、実行力に敬意を表した。
水嶋氏も「二階名誉会長がいらっしゃらなければ、運輸行政・観光行政・国土交通行政の発展はなかった」と謝辞を述べた。二階氏が運輸大臣を務めた1999年当時を振り返り、00年に歴史上初めてインバウンド予算が計上された過去を紹介。自民党合流後も引き続き観光立国の実現を唱え、06年の観光立国推進基本法制定など、観光政策を着実に進めてきた功績を称えた。
JATA会長の髙橋氏は、Go Toトラベルキャンペーンで業界が救われたことに感謝を述べた。「二階先生には、これまでお叱りも含めてご指導をいただいたが、特に印象に残っているのは『観光はのこぎりのようなものだ』というお言葉だ」とコメント。のこぎりの押し引きと同様に、観光も2国間での双方向交流と、それによる信頼関係の構築があって実現するものという意味を紹介し、「まさに観光外交の神髄だ」と高く評価した。
国土強靭化研究所代表理事の林氏
国土交通省事務次官の水嶋氏
日本旅行業協会(JATA)会長の髙橋氏
その他来賓には、福岡ソフトバンクホークス取締役会長で、世界少年野球推進財団理事長を務める王貞治氏が登壇。王氏の高校時代の野球部の監督が、二階氏の出身大学・中央大学野球部の監督を務めていた縁から付き合いが始まった経緯を紹介し、1990年の現役引退後、二階氏の激励で世界の子供たちに野球を教える財団を立ち上げた過去を紹介した。
会場には小池百合子東京都知事も駆け付け、これまでの日本の観光政策を振り返った。好調な推移を見せる昨今のインバウンド旅行者数も、二階氏の外交リーダーシップのお陰だと謝辞を述べた。このほか、今年9月に開催予定の「東京2025世界陸上競技選手権大会」や、11月に開かれる「東京2025デフリンピック」なども紹介した。
福岡ソフトバンクホークス取締役会長、少年野球推進財団理事長の王氏
東京都知事の小池氏
観光業界の使命「平和な中での国際交流を続ける」
終盤に登壇した二階氏は、「皆さまにお見送りいただけるのは、身に余る光栄。この素晴らしい思い出をこれからも生きていく過程で振り返りながら進んでいきたい」と出席者に感謝を述べた。
「いろいろなことで無理を言い、ご苦労をかけたと思う。ただし、その一つ一つを乗り越え、業界そのものも発展してきた。われわれはこれからも旅行業界を通じて、一番大事な国際社会と平和な中での交流、これを続けるという大きな使命がある」と強調。引き続き、国際社会の平和のために尽力することを誓った。
関係者に感謝を述べる二階氏
終盤には、日本旅館国際女将会の代表者一同から花束も贈呈された
中締めあいさつは、ANTA元副会長の國谷一男氏が務めた。「二階名誉会長からは『頑張れ、頑張ろう』というお言葉をいただいてきた。(今後も)二階名誉会長のますますのご健勝、近藤会長の頑張りを期待したい」と述べ、出席者全員で“頑張ろう三唱”が行われた。