【交通トレンド分析288】JAL、羽田-南紀白浜線がパンダ見納めで混雑 鳥海高太朗


 今、JAL(日本航空)の羽田―南紀白浜便が連日混み合っている。その理由は4月24日に突如、南紀白浜空港からバスで10分ほどの場所にある「アドベンチャーワールド」で現在飼育しているジャイアントパンダ4頭が6月末に中国へ返還されることが発表されたことで駆け込みのパンダ鑑賞で多くの人が訪れているからだ。

 現状、返還後に新たなパンダが中国から日本にやってくるかどうかは未定であり、返還後、当面はアドベンチャーワールドにいるパンダは0頭になってしまうことになる。

 そして5月23日には、パンダの返還日が正式発表され、6月28日に決まり、アドベンチャーワールドでの最終観覧日は前日の6月27日となった。出発前1カ月は隔離検疫が必要なため、屋外など直接パンダが見られるのは5月25日までで、現在はガラス越しでの公開となっている。

 私自身も屋外で見られる最終日となった5月25日の日曜日に現地を訪れたが、朝早くから多くの人が全国から訪れたことで開園時間を早めるほどだった。

 明らかに4月24日の発表以降、羽田―南紀白浜線が取りにくい状況となっている。私自身、週末のどこかで訪れようと空席を見ていても、ほとんどの時間帯で満席となっていた。

 そして5月25日に羽田↓南紀白浜の初便を予約しようとしたところ、この日は全便満席で諦めていたが、幸いにも前日の夕方に、当初は国際線仕様のボーイング737―800型機の予定が国内線仕様の同型機に機材変更があった模様で、144席から165席に増席されたことで空席が出て、乗ることができたのだった。

 JALでは予約数の増加に伴い、通常は1日3往復の羽田―南紀白浜線を5月24日と26日の2日間限定で臨時便各1往復を設定した。

 アドベンチャーワールドでの最後のパンダを見たい人は想定以上で、この状況はガラス越しではあるが、最終観覧日まで混雑が続きそうだ。

 東京からであれば、東海道新幹線に乗車して新大阪乗り換えで特急「くろしお」号に乗車する方法もあるが、飛行機の方が格段に便利で、羽田からわずか1時間10分のフライトで、南紀白浜空港からアドベンチャーワールドへの路線バスが出ており、非常に便利だ。

 私は翌日に大阪で仕事があったことから、白浜駅から特急「くろしお」を利用したが、むしろ大阪から電車で移動する以上に羽田からの飛行機の方が早いくらいの感覚だった。

 羽田―南紀白浜線の航空券は現状片道2万円台と割高ではあるが、パンダ見納めで現地へ訪れるのであれば飛行機で行く方が楽なのは間違いなさそうだ。

 
 
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