
株式会社サクラクオリティマネジメント(東京都千代田区、北村剛史社長)は8月20日、宿泊施設の「品質」と「SDGs達成度」を統合的に可視化する新指標『北村スコア』を開発したと発表した。従来別々に評価されてきた品質とSDGsへの取り組みを二軸で評価し、平均値をスコア化することで、宿泊施設の現在と未来の価値を一目で示す。
品質×SDGsで宿泊施設の「未来価値」を測定
同社が開発した『北村スコア』は、縦軸に宿泊施設の品質、横軸にSDGsへの取り組みを置き、両者を統合して評価する新たな指標だ。品質基準にはサクラクオリティの2,154基準、SDGs評価にはサクラクオリティグリーンの172基準を採用。同じ重み付けで評価し、マトリクス化してスコア化している。
北村社長は「品質だけでも、SDGsだけでも不十分。両者を統合して初めて、未来を映す物差しが生まれる」と新指標の意義を説明する。
同スコアは1~5サクラ(スター)を前提にポイント換算され、マトリクス表示によって宿泊施設の立ち位置と改善余地を直感的に把握できるのが特徴だ。例えば、品質70・SDGs30のケースAと、品質50・SDGs50のケースBは、いずれも総合スコアは50点となるが、その意味するところは大きく異なる。
ケースAは高い品質力を備えながらもSDGsの取り組みが途上にあり、持続可能性への取り組みを加えることで成長余地が大きいことを示す。一方のケースBは品質とSDGsが均衡しており、バランスのとれた成長路線を歩む上で信頼性の高いポジションだ。
同社によれば、SDGsへの取り組みは宿泊施設の経営にも好影響をもたらすという。複数の研究によると、環境認証を受けたホテルは非認証ホテルと比較して平均5%前後高い料金設定が可能で、顧客の再訪意向も強まるとされる。また、世界の富裕層旅行者の70%以上が「サステナブルホテル」を選好しており、旅行者全体でも71%が持続可能な宿泊施設を選ぶ意向を示している。
同社は今後、OTAレビュー解析や独自調査を組み合わせて分析を進め、より精緻な市場検証を行う方針だ。『北村スコア』を通じて日本の宿泊業界の国際競争力強化に貢献することを目指している。