国家検定「レストランサービス技能士」学科試験 3600人の受検者数を記録


試験会場内

 国家検定「レストランサービス技能士」の指定試験機関である一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会(HRS)は2025年8月7日、全国9地区の本会場と校内受検認定を受けた4校2会場で2025年度の学科試験を実施した。今年度は受検資格の大幅緩和により、前年度比108.1%となる3,619名が受検。特に高度な技能を求められる1級と2級では前年度比でそれぞれ137.1%、135.6%と大幅な増加となった。

 

受検資格の緩和が後押し

 今回の試験は、料飲サービス職種唯一の国家資格として行われたもの。レストランサービス技能士試験は、1986年に料飲接遇サービス技能審査として始まり、2002年に厚生労働省の指定を受けて国家資格に移行された。

 2025年度からは受検資格が大幅に緩和され、1級は11年以上から7年以上に、2級は3年以上から2年以上に必要実務経験年数が短縮された。3級については従来通り1年以上となっている。

 この緩和により、1級は20代中盤の現場の中軸となる時期に、2級は就職後の成長期にスキルアップを目指すタイミングで資格取得が可能になった。受検者が所属する企業では、モチベーションアップや企業としてのサービス向上、差別化などを目的にスタッフの受検を推奨している。

 

受検者数の内訳

 受検者数は全体で3,619名となり、前年度比108.1%を記録。級別の内訳と前年比は以下の通り。

 特に1級と2級で大幅な増加がみられ、高度な技能を持つ人材の育成が進んでいることがうかがえる。

 

今後の予定と見通し

 2025年度学科試験の合格発表は9月3日に行われる。同日から実技試験の受検申請が始まり、2,600人を超える申請が予想されている。

 実技試験は10月末から学科試験合格者を対象に実施される。学科と実技試験の両方に合格した受検者には、国が認めた技能士として国家資格が付与される。

 HRSでは累計40,000人の合格者を見込んでおり、レストランサービス技能士のさらなる活躍に期待を寄せている。

試験会場内(関東地区学会試験)

 

レストランサービス技能検定の概要

 レストランサービス技能検定は、料飲サービスのプロとしての技能を証明する唯一の国家資格として、毎年8月に学科試験、10月末から実技試験が実施されている。合格すると、1級は厚生労働大臣名、2級・3級はHRS会長名での合格証書が授与され、それぞれ「1級レストランサービス技能士」「2級レストランサービス技能士」「3級レストランサービス技能士」と称することが認められる。

 試験内容は、食品衛生・公衆衛生、料飲一般、レストランサービス、食文化、施設管理、苦情対応、関係法規、安全衛生などの学科試験と、接客マナー、テーブルサービスなどの実技試験からなる。級が上がるほど詳細な知識と高度な技能が求められる。

 試験は両方とも60点以上が合格基準とされ、学科試験は100題のマークシート方式で、実技試験は実際のサービス技能が評価される。

 国家検定「レストランサービス技能士」の資格取得は、料飲サービス業界でのキャリアアップと技能向上の重要な指標となっている。

「レストランサービス技能検定」関東地区学会試験の会場となったグランドニッコー東京ベイ舞浜

 

 
 
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