【交通トレンド分析286】大阪・関西万博の会場へ、便利なアクセスと不便なアクセス 鳥海高太朗


 大阪・関西万博が4月13日に開幕して1カ月が経過し、私自身も開幕前からの取材も含めて合計9回、万博会場を訪れているが、最近の傾向としては大阪メトロ中央線夢洲駅直結の東ゲートに入場者が集中している状況にあり、万博協会からもバスを中心とした西ゲートへの分散を呼びかけている事態となっている。

 ただ、東ゲートに集中するのも当然であり、大阪メトロ夢洲駅の改札口を出て、左側にあるエスカレーターを上がるとそのまま東ゲートという立地が抜群で、多少混雑があっても絶対的に歩く歩数が少ないのが特徴で、帰りも21時過ぎのドローンショー終了後が非常に混み合うが、それでもほぼ3分に1本のペースで大阪メトロ中央線が発車することから、2本待てば確実に座れている。また、東ゲートでは人気の日本のパビリオン(日本館、大阪ヘルスケアパビリオン、住友館、パナソニックグループパビリオン、NTTパビリオンなど)が数多くあるほか、予約不要のアメリカ館やフランス館が近いなどといった点も東ゲートに多く集まる理由の一つだろう。

 そのような状況のなかで、利用が少ない西ゲートは、バス(駐車場からのバスも含む)およびタクシーが中心となるが、最もバスの利用が多いのがJR桜島駅(JRゆめ咲線)からのシャトルバスとなる。私も1度だけ利用したが、桜島駅の臨時改札からバスに乗車するまでの歩く距離が、大阪メトロ夢洲駅から東ゲートまでの距離と同等もしくは長く、さらにバスで15分前後乗車することを考えると不便さを感じてしまった。

 ただ非常に便利だと思ったのが、新大阪と西ゲートを結ぶシャトルバス。片道1500円と少し割高であり、専用アプリ「KANSAI MaaS」からの予約が必須となるが、利便性は抜群だった。

 私自身は万博会場(西ゲート)から新大阪駅まで乗車したが、時刻表上は所要時間30分となっていたが、新大阪駅到着直前の新御堂筋に入る手前では、現在はまだ工事中になっている淀川左岸線2期間をバス・タクシーに限って万博期間中走行できるようになっており、私が平日の正午発で乗車したバスはわずか23分で新大阪に到着した。本当に便利で、西ゲートへ向かうのであればベストな選択肢だと思って別の日に新大阪駅発を予約しようとしたところ、30分間隔で運行しているにも関わらず、午前中は全便満席で予約ができなかった。10分間隔でも確実に満席になるだろう。今からでも遅くないので、大量増便することで西ゲートの利用促進にも間違いなくつながると考える。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
 
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