日本ホテルアプレイザル、全国47都道府県の宿泊施設運営コスト指標を初公開 


 ホテル・旅館に特化した不動産鑑定の日本ホテルアプレイザル(東京都千代田区、北村剛史社長)は8月18日、全国47都道府県別の宿泊施設運営コスト指標「北村インデックス」を発表した。設備管理費と水道光熱費を都道府県別に数値化し、全国平均を100とした指数で表示。地域による運営コストの差を”見える化”した国内初の指標となる。

北海道は設備管理費20%増、水道光熱費45%増

 このインデックスは、152室、平均客室面積25.07平方メートル、施工床面積約5,143平方メートルの宿泊施設を想定して算出された。大浴場やサウナ、源泉はなし、空調は4管式個別空調、給湯は冷温水機でガス使用を前提としている。レストランは1か所設置、宴会場は想定していない。

 発表されたデータによると、設備管理費・水道光熱費ともに北海道が最も高く、それぞれ120、145と全国平均を大きく上回った。東北地方も両コストが高い傾向にあり、特に水道光熱費は青森県が135、岩手県が130と高水準。対照的に、九州・四国地方は両コストとも低めで、設備管理費は鹿児島県が91、宮崎県が92と全国最低水準となっている。

 水道光熱費については、東京都が85と全国で最も低く、神奈川県が86、千葉県が87と続き、首都圏が全般的に低コストであることが明らかになった。一方で設備管理費では、沖縄県が85と突出して低い数値を示した。

 北村インデックスの意義について、同社は「設備管理費インデックスは地域の建築環境・自然条件による維持コストの差を可視化し、水道光熱費インデックスは冷暖房・給湯需要の違いを数値化することで地域の気候差を反映している」と説明している。

 活用方法としては、投資家による出店地選定の客観的指標、運営者による自社施設のコスト水準の全国比較、行政による宿泊業支援や観光政策のデータ基盤など、経営・投資・政策の三方向での利用が想定されている。

 同社は「従来『感覚』でしか把握できなかった地域ごとのコスト格差を、全国共通の尺度で示すことができる」とし、宿泊業界における共通言語として、より公平で効率的な判断の礎となることを期待している。

 
 
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