
ANAは2025年6月24日予約・発券分より、同社のマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ」のANA国際線特典航空券、提携航空会社特典航空券について、片道だけでの特典航空券の発券が可能となることを発表した。これまでは往復利用でないと特典交換できなかったが、片道だけでの利用が可能になることで、片道しか特典航空券の空席がない場合でも片道での予約・発券が可能になることで、片道ANA、片道LCC(格安航空会社)といった使い方も可能となる。
私の場合は往路よりも復路は次の予定のギリギリに帰国したい時も多く、特に羽田着のフルサービスキャリアを使いたいと思っているなか、往路はLCCをはじめリーズナブルな航空券を販売している航空会社の便で飛び、復路はANAのマイルを使って希望の時間帯の便で戻ってくるということができるようになる。例えばバンコクやシンガポールなどであれば、片道は成田空港からZIPAIR、エアージャパン、スクート、エアアジアXなどで飛び、帰りはANAでベストな時間で羽田便を使うなどといった感じだ。
その他にも複数の航空会社のマイルを上手に活用し、すでに片道での特典航空券利用が可能なJALをはじめ、他の航空会社のマイレージプログラムの特典航空券とANAの特典航空券を片道ずつ予約する技もある。さらに留学や海外に長期滞在する場合など、帰りの日程がわからない場合なども片道で特典航空券が使えることで、利便性が大きく向上する。必要マイル数も基本的に往復マイル数のほぼ半分に設定されている。
そして、今回は同時にハイシーズンを中心にANA国際線特典航空券の必要マイル数も上がることも発表されている。
ハイシーズンについては、国際線全路線の全クラスで必要マイル数がアップするほか、ビジネスクラスはアジア、オセアニアについては全シーズン、ハワイ、北米、ヨーロッパについてはハイシーズンのみ必要マイル数がアップする。特にエコノミークラスのハイシーズンの必要マイルが大きく変わり、ソウル線で現在は往復1万8千マイルが2万4千マイル、ホノルル線で現在は往復4万3千マイルが6万5千マイル、ヨーロッパ線で現在は6万マイルが7万8千マイルに変更となる。
年末年始やお盆などのハイシーズン期間に特典航空券を利用する際には注意が必要なほか、これまで人気があったスターアライアンス世界一周特典航空券が廃止される。全ては6月24日予約・発券分から対象となることから、6月23日までに特典予約・発券することで現行マイル数での予約が可能だ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)