【旅館ホテルのおもてなし 93】食中毒④ 大谷 晃


 ●自然毒による食中毒
 毒を持った食品によって引き起こされる食中毒です。

 ・動物性自然毒
 フグ、アサリ、カキ、ドクカマスなど
 ・植物性自然毒
 ジャガイモの芽、青梅

 ●異物混入
 旅館ホテルで料理を提供する時、食中毒とは別に要注意なのが異物混入です。一番多いのが髪の毛で、他にも金属製のたわしの破片、輪ゴム、虫などのケースがあります。

 髪の毛に関しては、落ちて料理に入らないように、調理場では帽子着用が原則です。仲居は髪を束ねたり、くくったりして防ぎます。

 万が一異物が料理に入ってお客さまから指摘されたら、お詫びした上で、すぐに新しい料理と取り替えます。
 
 ●食中毒を防ぐ
 細菌性・ウイルス性食中毒は全体の9割を占めます。これらの微生物による食中毒を防ぐには次の原則を守ることが大事です。
 
 1.清潔を保つ
 原因菌が食品につかなければ食中毒は起きません。食品を扱う全員が定期的な検査、検便を受け、身体、特に手指の清潔保持に努めることです。
 
 さらに、衣服を清潔に保ち、食品の取り扱いにも徹底して衛生的であることです。
 
 2.微生物を増やさない
 微生物を増殖させないことが重要です。それには、迅速に調理、迅速に冷却することがなにより求められます。調理をしたら、なるべく早く提供します。
 
 3.十分加熱する
 加熱して食べる食材は十分に加熱します。一度加熱した料理であっても、あとから提供する場合には十分に再加熱することです。
 
 4.自然毒による食中毒を防ぐ
 フグやジャガイモは有毒部分を完全に除去します。フグは肝臓、卵巣、皮、腸など、ジャガイモは芽。
 
 また、有毒かどうか見極めが困難な物は絶対に使わないようにします。特に毒キノコは素人目にはわかりにくいので使用しません。
  *    *
 
 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。      

 
 
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