リッチモンドホテル、ロイヤルホストなどを展開するロイヤルホールディングスは8月6日、2025年12月期第2四半期(中間期)決算を発表した。売上高は前年同期比8.5%増の788億500万円、営業利益は同7.2%減の31億9500万円、経常利益は同0.9%減の33億5600万円となった。
親会社株主に帰属する中間純利益は同33.1%減の19億8600万円、EBITDA(経常利益+減価償却費+のれん償却額+ネット支払利息)は同7.7%増の75億9900万円だった。
売上高は、販売価格の上昇に加えて、訪日外国人客の増加を受けた堅調な観光需要も下支えし、既存店で増収を確保した。経常利益は、新規出店やシステム投資等による費用増があったものの、既存店の堅調な推移と持分法損益の改善により、前年同期と同水準を維持した。純利益は、ホテル子会社の欠損金解消に伴う法人税等の増加により、対前期比較で減益となった。
稼働率7.5ポイント上昇、訪日客増がホテル事業を押し上げ
同社のホテル事業は、インバウンド需要の拡大を背景に好調な業績を記録した。リッチモンドホテルの2025年第2四半期累計期間における稼働率は85.7%で、前年同期間の78.2%から7.5ポイント上昇。特に福岡や首都圏の拠点が好調に推移した。直近のインバウンド宿泊比率は4月が32%、5月が29%、6月が25%と高水準を維持しており、第2四半期累計期間では28%を記録した。
こうした好調を受け、ホテル事業の売上高は前年同期比19.9%増の193億6500万円、経常利益は同38.7%増の31億3400万円と大幅な増収増益となった。インバウンド需要に支えられた宿泊施設の高稼働と客室単価の上昇が業績を押し上げる要因となった模様だ。
既存ホテルの改装と新ブランドホテル展開
同社は中期経営計画(2025~2027年)の重点戦略の一つとして、ブランド価値の向上を掲げている。この方針に基づき、既存ホテルの改装と新ブランドホテルの展開を進めている。
リッチモンドホテルについては、リッチモンドホテル仙台で4月19日にプライベートサウナフロアをグランドオープン。朝食会場のリニューアルを、1月31日にリッチモンドホテル浜松、2月12日にリッチモンドホテル東大阪、7月7日にリッチモンドホテル鹿児島天文館で行った。
また、新ホテルブランドの1号店「THE BASEMENT HOTEL Osaka Honmachi」を4月18日に大阪市で開業した。「THE BASEMENT」は、ロイヤルグループ、双日、アクタスの3社協業によるホテルブランド。ロイヤルグループがホテル事業における運営ノウハウを提供。双日がプロジェクトマネジメントや不動産バリューアップのノウハウを、アクタスがブランドデザインや設計、施工のノウハウをそれぞれ提供し、展開していく。
さらに、24年3月に世界58ヵ国で560以上のラグジュアリ―ホテルなどを展開するマイナーホテルズ(本社・タイバンコク、ディリップ・ラジャカリアCEO)と合弁会社「ロイヤルマイナーホテルズ」を設立。今年7月にはリストデベロップと共同でラグジュアリーホテル「Anantara Karuizawa Retreat」を2030年に軽井沢で開業すると発表した。ロイヤルマイナーホテルズでは、2035年までにラグジュアリーホテルを21棟開業する計画だ。
3空港国際線ターミナルへの出店加速、インバウンド需要を積極的に取り込み
コントラクト事業では、空港国際線ターミナルへの出店や高速道路店舗への積極的な出店を推進している。
特に注目されるのは、3つの空港国際線ターミナルへの出店だ。3月12日に「ソラテラス」を那覇空港国際線ターミナルにオープン。同28日には「ROYALキャフェテリアMIYABI」を福岡空港国際線ターミナルに、同31日には「JALラウンジ中部国際空港」を中部国際空港国際線ターミナルに開設した。同社はJAL空港ラウンジを現在、羽田空港国内線・国際線、成田空港国際線、中部国際空港国際線の4拠点で運営受託している。
高速道路店舗では、北陸自動車道南条SA下り線(福井県南条郡)で、レストランを閉店。売店とフードコートを拡充し、7月23日に全館リニューアルをした。また、山陽自動車道小谷SA下り線(広島県東広島市)では、7月末にフードコートとベーカリーを改装。改装したフードコートでは、広島県産の牡蠣や小鰯、しらす、レモンなどを使用した新メニューを販売している。12月には売店を改装する予定だ。




