日本コングレス・コンベンション・ビューロー、MICE振興誓う ピッチコンテストや講演会  


あいさつする猪口会長

JCCBが30周年記念イベント

 
 MICEの業界団体である日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB、会長=猪口邦子参院議員・上智大学名誉教授)は7月29日、設立30周年の記念イベントを千葉市の幕張メッセで開催した。「Moving Forward!~さあ、MICEの新たなステージへ~」をテーマに、記念式典や講演会、アイデアピッチコンテストを行った。各地のコンベンションビューローや企画運営会社などの会員は、MICEのさらなる振興への努力を誓い合った。

 JCCBは、1995年6月、運輸省(現・国土交通省)の指導の下、前身の団体である財団法人日本コンベンション振興協会(JCPA)の解散に伴い発足。MICEの誘致・開催の促進、人材育成、広報宣伝、ネットワーキングの支援に取り組んできた。日本政府観光局(JNTO)との共催では、日本最大級のMICE商談イベント「国際MICEエキスポ」を毎年開催している。
 
 記念式典で猪口会長は「MICEは平和を支える産業。多くの人たちが異文化を深く理解するインクルーシブな平和を支える場面だ。その上でローカルビューローが大きな財産であり、ローカルなコミュニティをどう世界最高水準の発信媒体であるMICE業界につなげるか。30年前、ビューローなくしてコンベンションの世界は成り立たない、としてJCCBは創設された。皆さまのこれまでのご功績に心から感謝申し上げるとともに、続く世代を大事に、これからの歩みを強化してまいりたい」とあいさつした。

猪口会長

 来賓として出席したJNTOの蒲生篤実理事長は「MICEを取り巻く環境は、コロナ禍、ポストコロナを経て大きく変化してきた。国際会議の開催件数は回復基調にあり、地方都市での開催が堅調に推移していることは地域の受け入れ態勢の強化や関係者の皆さまのご努力の賜物であると感じている。JNTOでは、JCCBの皆さまとの連携をさらに深めながら、MICE分野における国際競争力の強化、地方誘客の推進、そして持続可能な観光の実現に向け、引き続き努力してまいりたい」と述べた。

 記念式典では、JCCB次世代部会が約1年をかけて作成した、MICE産業の認知度向上と人材育成に向けた提言書を部会のメンバーが猪口会長に手渡した。テーマは「次世代から動かすMICE~地域と次世代で築く、認知拡大と人材育成の提言~」。

 提言の柱は二つで、一つ目が「『知る』から始まるMICEの拡がり 業界参入を支える認知戦略」として、地域のステークホルダーを対象にMICE業界への参入を促すアプローチ手法を提案。二つ目は「YOUTH MICE JAPAN 大学から未来を動かす力」で、就職先としてMICE業界を学生に認知してもらうため、大学の観光学部と連携した取り組みを提言した。

 記念イベントの基調講演には、気候変動や脱炭素などをテーマにした多くのドキュメンタリーの製作に携わったNHKエンタープライズのエグゼクティブ・プロデューサー、堅達京子氏が登壇。「次世代・地域・世界をつなぐサステナブルなMICE戦略を進めてほしい。国際会議はモデルケース、実験の場としてうってつけだ。国際会議をきっかけに社会が変わる。大切なのはスピードとスケール」と訴えた。


記念のパーティー

 
 
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