
前佛氏
今年度は冬の誘客に力 宿泊者数の拡大を図る
富山県は、立山連峰や黒部峡谷、世界遺産「五箇山合掌造り集落」、富山湾の味覚など、四季折々の表情で訪れる人々を魅了してまいりました。
こうした中、本年1月にアメリカのニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2025年に行くべき52カ所」に富山市が選出。富山県の観光の魅力が世界に評価され、国内外からの誘客に大きな弾みをつけるものと期待しています。また、北陸新幹線富山・金沢開業10周年や、大阪・関西万博、秋の北陸デスティネーションのアフターキャンペーンの開催など好機が続きます。
一方、昨年発生した能登半島地震により、黒部峡谷鉄道の全線開通の遅れ、それに伴う黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放の延期など影響が残っていますが、先述した好機を生かしながら、関係者が一体となって観光誘客を進めていくことが大事です。
これを踏まえ、とやま観光推進機構は都道府県DMOとして、観光客の受け入れ環境整備や魅力ある観光情報発信などに取り組んでいます。
その一つが、「富山湾鮨(すし)」です。「天然の生簀(いけす)」富山湾で獲れた新鮮な地魚をネタに、県産米をシャリに用いることで、富山ならではの最高の「旬」を味わっていただくことができます。
食を観光素材として富山県への誘客促進を図るとともに、県内の漁師や米農家など生産者にも利益を還元し、後継者や生産の担い手不足の解消に寄与することを目的に平成23年度から開始したこの取り組みは、富山を訪れる多くのお客さまから好評をいただき、富山を代表する食のブランドとなりました。
近年は富山県が実施している「寿司(すし)といえば、富山」ブランディングプロジェクトとも連携し、さらなる情報発信、知名度向上を図っています。
また、富山県への来訪者が多様化していることを踏まえ、データ主導型のマーケティングを推進することが不可欠になっています。このため、観光統計サイト「TOYTOS」を機能強化し、旅行者データの収集・分析、観光資源の磨き上げ、観光PRなどのマーケティング業務を推進しています。
さらに、今年度は冬の誘客に力を入れることとしています。雪景色が織りなす幻想的な風景、旬の味覚、温泉など、富山の冬ならではの魅力を掘り起こし、プロモーションを強化することで、宿泊者数の拡大を図ります。
今後とも、富山県が内外から選ばれ続ける観光地となるよう、当機構が観光地域づくりの司令塔として、県や市町村、観光関係団体の皆さまと連携しながら取り組んでまいります。
前佛氏