「赤れんが庁舎」がリニューアル 老朽補修と耐震化工事実施で未来に継承


 北海道を代表する歴史的建造物で人気の観光スポットでもある北海道庁「赤れんが庁舎」(札幌市中央区)が6年にわたる改修工事を経て、7月25日にリニューアルオープンし、早速、多くの市民や観光客でにぎわっている。

 道庁赤れんが庁舎は、1888(明治21)年に建てられた米風ネオ・バロック様式の建物で、1909(明治42)年に火災に見舞われたが、赤れんがの外壁が残り復旧。その後、国の重要文化財にも指定され、明治の姿を今に伝えてきた。

 50年ぶりとなる今回の改修では、赤れんが庁舎を未来に残し引き継いでいくため、シンボルの八角塔をいったん地上に降ろして建物内外部の老朽補修と耐震化工事を実施した。併せて館内の展示や機能を全面的に見直し、北海道の歴史文化・観光情報の発信拠点としての役割を担う施設に一新。

 工事に当たっては、当時の姿を守るため、極力、元の建築材を残すことや、外観を損なわない工法を採り、館内の展示については、最新のデジタル技術を活用。北海道の歴史や北方領土、アイヌ文化の展示などの充実や、全道179市町村の特産品や観光の魅力発信に力を入れた。
 また、道産食材の食事を提供するレストランやカフェを新設し、土産品ショップを強化。催事に貸し出すホールや車いすの人が利用できるスロープ、エレベーターも設置。これまで非公開だった八角塔からの観覧やガイドツアーも用意した。


館内に設けられたレストラン

 入館料は、一般300円で大学生・高校生が200円、中学生以下は無料。レストラン、カフェ、ショップには、南北の入り口から無料で入館できる。

 開館時間は午前8時45分から午後9時までで、休館は年末年始(12月29日~1月3日)と設備点検日(11月16日)。

 管理運営は、指定管理者に選ばれた民間企業で構成する北海道赤れんが未来機構が担当する。

 同日、赤れんが庁舎前で行われた記念式典で鈴木直道知事は、「皆さんのご協力で令和の大改修を無事完了することができた」と謝意を述べ、「137年の歴史を未来につなぐとともに、情報発信の拠点として、道内各地や国内外を結ぶ架け橋の役割を果たせるよう、しっかり運営していきたい」とあいさつ。

 出席した来賓とテープカットや幼稚園児たちとくす玉割りを行い、赤れんが庁舎の新たなスタートを祝った。


幼稚園児とくす玉割りを行った

 
 
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