
伊藤新部会長(右)から花束を受け取る渡邊氏
30周年に向け「制度」見直しへ
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)シルバースター部会は7月23日、2025年度総代会を東京都千代田区の全旅連会議室で開いた。任期満了に伴う役員改選で、新部会長に副部会長の伊藤隆司氏(奈良県・飛鳥荘)の就任を決めた。今年度は「シルバースター登録制度」の登録施設増強や認知拡大に加え、新たに「制度推進事業」を設け、設立30周年を見据えたシルバースターのリブランド化、制度の見直しにも取り組む。
伊藤氏は「渡邊部会長からバトンを受けて、身の引き締まる思い。今年度は(全旅連の活動の軸である)8部会のうち、第5部会という位置付けでやっていく」と部会の立場・役割を改めて確認し、各事業の発展や会員増強への意欲を示した。
会には井上善博全旅連会長のほか、歴代部会長も出席。来賓として、厚労省健康・生活衛生局生活衛生課の藤本昭彦課長補佐が祝辞を述べた。
前部会長の渡邊幾雄氏(栃木県・やまの宿下藤屋)は「シルバースター部会はあと2年で30周年を迎える。長い歴史の中で先輩方が築き上げてきたこの部会を、さまざまなアドバイスをいただきながらさらなる発展を(目指したい)」と語った。
今年度は、高齢者など誰もが利用しやすい優しい宿の登録制度「シルバースター登録制度」の登録施設増強や認知拡大に向けて、「人に優しい地域の宿づくり賞」のエントリー推進、インスタグラムを活用した周知キャンペーンなどに引き続き取り組む。また、公式サイトの充実化を図り、登録施設のプロモーション活動にも力を入れる。
加えて、新事業「制度推進事業」の一つとして、シルバースターのリブランド化と制度の再構築に着手する。同部会は当初、高齢者が利用しやすい宿泊施設の在り方を研究することを目的に設立されたが、時代とともに消費者のニーズも多様化してきた。設立30周年を迎えるにあたり、設備(ハード面)だけでなく、接遇や情報発信(ソフト面)も考慮したブランドの刷新を検討する。
制度の再構築については、登録施設(部会員)数が現在616軒まで減少している現状を踏まえ、登録基準などを見直し、時代に即した持続可能な制度への転換を図る。渡邊氏は、「ピーク時には登録軒数が1千軒を超えていたが、非常に厳しい(状況)。引き続き、登録施設増強にご協力いただきたい」と強く呼び掛けた。
新部会長の決定後、2期4年にわたり部会長を務めた渡邊氏の功績をたたえ、伊藤氏から花束が贈られた。
今期の役員体制は次の通り(敬称略)。
部会長=伊藤隆司(奈良県・飛鳥荘)▽副部会長=近藤誠一(新潟県・美味海食汐彩の湯 みかく)▽常任委員=西海博之(北海道・森の雫RIN)、佐藤利規(秋田県・セイコーグランドホテル)、栁澤伸雄(東京都・ホテルたてしな)、丸山修(静岡県・下田ビューホテル)、帽子山宗(石川県・加賀の宿宝生亭)、砂金伸和(兵庫県・ほてるISAGO神戸)、勝谷有史(島根県・なにわ一水)、田村卓実(高知県・足摺国際ホテル)、福田努(長崎県・雲仙福田屋)
伊藤新部会長(右)から花束を受け取る渡邊氏