
インバウンドの地方誘客が課題となる中、MICEの一つ、国際会議では、開催地に地方分散の可能性が見え始めている。日本での2024年の開催件数は428件で、コロナ前の19年の558件を下回ってはいるが、地方部での開催の割合が拡大し、全体の45%を占めた。地方分散、地方開催の拡大に向けては、国際会議の誘致や開催を支える学術分野などのキーパーソンへの支援、地域の産官学の連携による地域特性を生かした開催の工夫などが鍵となりそうだ。
三大都市圏以外の開催45%に 地域特性を生かした提案 「アンバサダー」も後押し
国際的な団体、ICCA(国際会議協会)が発表した統計によると、24年の日本における国際会議の開催件数(速報値)の都市・地方別は、三大都市圏(8都府県)が前年比23件増(11%増)の234件、一方の地方部(三大都市圏以外)が同42件増(28%増)の194件。開催件数全体に占める割合は、三大都市圏55%に対して地方部45%。コロナ前の19年の三大都市圏62%、地方部38%に比べて地方分散が進んだ。
国際会議の開催について、日本政府観光局(JNTO)MICEプロモーション部誘致推進グループ、マネージャー代理、直井辰徳氏は「日本の大きな特徴の一つとして、大都市圏以外での開催も多く、分散してさまざまな都市で国際会議が行われることが挙げられる。さまざまな都市で開催が可能なことが全体の開催件数の押し上げに寄与している」と指摘する。
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