
「ジャングリア沖縄」が7月25日、沖縄本島北部、今帰仁村(なきじんそん)に開業した。沖縄初の本格的な大型テーマパークとあって以前から何かと話題になっていたが、当日は午前9時15分の開業前から多くの人が並び、関心の高さを見せつけた。
沖縄観光は、世界遺産「やんばるの森」があるものの、どちらかといえば主に海のレジャーが中心だった。そこに総事業費約700億円を投じ、亜熱帯の森を舞台にした観光施設の登場は画期的な試みといえ、北部観光の起爆剤となりそうだ。那覇空港から車で90分ほどの距離だが、それほど遠いという印象ではない。
東京ディズニーランド(約50ヘクタール)を超える約60ヘクタールの広大な敷地の中では、ティラノサウルスから逃げる「ダイナソーサファリ」や気球、ジップライン、バンジージャンプなど大自然を生かした約20のアトラクションを楽しめる。
ただ、これらほとんどが屋外施設であり、天候に左右されそうだ。沖縄近辺は台風も多く発生し、風雨の強さによってはアトラクションの体験ができない事態もあり得る。運が悪いといえばそれまでだが、何か善後策はあるのだろうか。
このほか、道路渋滞、環境保全、そしてオーバーツーリズムも懸念されている。開業したばかりで冷や水をかけるつもりはないが、課題は課題として認識し、いざという時のため対策を考えていてほしい。
パークには大型温浴施設「スパジャングリア」も併設され、男女合わせて19種類の浴場がある。中でも景色と一体化したような感覚を味わえる「インフィニティスパ」が人気を集めそうだ。
チケット価格は、国内在住の大人(12歳以上)が6930円、海外在住者は8800円と国内のテーマパークでは初めて二重価格を設定した。運営側は、価格差はあってもインバウンド需要は見込めると判断したようだ。
確かに、海外の観光施設の中には二重価格を設定しているところもあり、観光客に受け入れられていると聞く。昨今の状況を考えると、二重価格は当たり前になってくるのではないだろうか。
開業後15年間の経済波及効果は約6兆8千億円との試算もあり、県経済への影響も大きい。
東京ディズニーリゾート、大阪のユニバーサルスタジオジャパンに匹敵するテーマパークとなるのか、沖縄観光、ひいては沖縄経済の行方を左右する施設だけに成功を期待したい。
注目集まるジャングリア沖縄。地域にどんな影響をもたらすだろうか