全旅協大阪のかじ取り 全旅協大阪府旅行業協会 笹井健次郎会長に聞く


セミナーや視察を実施 活性化フォーラムの成功に全力

 ――6月5日の定時総会で会長に就任されました。率直な思いを。

 「これまで専務理事として協会活動に関わってきましたが、できれば会長職は10年後ぐらいが良かったですね(笑い)。大きな責任を感じるとともに、身の引き締まる思いです。前会長の路線を踏襲した上で、セミナーや講習会、研修ツアーなどに積極的に取り組んでいく方針です」

 ――旅行業を取り巻く環境をどう捉えていますか。

 「コロナ禍が収束し、旅行需要も徐々に盛り上がっていますが、国内旅行をみても取扱額や人数はコロナ禍前に戻っておらず、厳しいというのが実情です。加えて、OTAが存在感を増し、旅行の予約や情報収集の仕方も変わってきました。旅行形態も団体から小グループ化、個人化しています」

 「そうした中で、中小旅行会社としてどう生き残っていくのか。難しい判断を迫られています。自分たちの強み、より専門性を高めることで市場を開拓、ニーズの深掘りを進める。アイデア、企画力に磨きをかけるとともに、差別化や多様化、高付加価値化、デジタル化への対応がますます重要になってきています」

 ――大阪・関西万博もたけなわですが、客足に影響はありますか。

 「私どもビーウェーブは大阪がベースですから、あまり影響はありません。府・市民は万博に目を向けており、他方面に旅行しようという機運はむしろ減っています(笑い)」

 ――協会の特徴は何でしょう。

 「いま会員は300弱ですが、他協会と比べると割と多く、今後も増えてくると思います。会員さんの幅が広く、比較的大きな規模の会社から、数人で運営する家族経営の個人事業者まで、さまざまな形態の会員さんが所属しています。また、団体旅行を得意とする会社、カウンター店舗を持つ会社、募集型企画旅行やインバウンドに強い会社など、得意分野も多岐にわたります。それが大きな特徴です」

 ――2025年度事業計画も決まりました。まず手掛けることは。

 「一つは先ほど言ったセミナーや講習会を数多く開くこと。具体的には、ウェブやパソコンソフトを活用した業務効率化や実務スキルの向上、高付加価値化および収益力強化に結びつくものです。もう一つは新しい観光地や観光素材などに対しての視察と研修旅行。見聞を広め、商品造成に役立てればと思います」

 ――来年2月に本部(ANTA)主催の「第20回国内観光活性化フォーラム」が奈良県で開催されます。

 「協会にとっても一大イベントであり、国内旅行機運の盛り上げにつながれば。奈良県の協会が中心になりますが、近畿全体で協力し、成功させたい」

 ――オーサカ・ゼンリョ協力会との関係強化については。

 「情報交換や交流の場として、定期的に商談会を開催したい。商談会では観光地の最新動向や新しい旅行プランについて、積極的に意見交換を行うことで関係強化に努めたい」

 ――会員、本部に何を求めますか。

 「旅行需要を喚起するための具体的な施策の推進に積極的に取り組んでいただきたい、ということです」

 ――笹井さんはもともと旅行業に興味はあったのですか。

 「大学1回生の時に旅行系サークルを立ち上げ、初代代表を務めました。学生時代は、夏はリゾート地、冬はスキー場で駐在員として活動し、現場経験を重ねました。卒業後は国内ホールセラーの旅行会社に就職、その後独立してビーウェーブを設立しました」

 ――ビーウェーブはどんな会社ですか。

 「スキーツアー、富士登山、離島の旅など、独自性にこだわった募集型企画旅行を中心に事業を展開しています。他にない切り口、プランでお客さまの満足度を高めたいですね」

 「富士登山は2泊が基本で、7合目の山小屋でまず1泊し、翌日は8合目に荷物を置き、山頂を制覇した上で、8合目に泊まる。8合目でもご来光は十分拝め、混雑もしていないので、参加者の評判もいいです。今年は富山の立山登山も実施したいですね。大手とは別の切り口で提案します。離島の旅もそうですね」

 ――好きな言葉をあげてください。

 「ともに楽しむ。社員はわずか10数名ほどですが、ともに楽しみ、お客さまに喜んでいただける旅行会社でありたいと思います」

【聞き手・内井高弘】

笹井健次郎氏
笹井健次郎氏

 
 
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