
齋藤知事らが出席した第1回会議
兵庫県は11日、有識者や同県内の観光関係者による「第1回ひょうご新観光戦略推進会議」を開いた。2023~27年度実施の「ひょうご新観光戦略」の中間見直しが目的。古田菜穂子・兵庫県立大大学院特任教授を座長に今後2回程度会議を開催。10月中に中間見直し結果を取りまとめ、来年度の施策や予算に反映する。
ひょうご新観光戦略は、「『より深く、何度でも訪れたい地、HYOGO』の実現―訪れた多様な人々の感動を呼び、暮らす人々の幸せへ―」を目指す姿に掲げ、本物志向の観光ができる観光地としてのブランド育成や観光が地域に好循環をもたらすようなエコシステムの構築、戦略的プロモーションなどに関する施策とKPIをまとめたもの。
現在、観光消費額や県内宿泊数等はコロナ前を上回る数値で推移していることから、戦略の枠組みそのものの見直しは行わず、前期2カ年の課題や消費者ニーズの変化などを踏まえた重点施策の検討を行うとした。
委員は、観光系シンクタンクや、同県各地の運輸、宿泊関係者ら10人で構成。宿泊業からは、木下学・日本旅館協会兵庫県支部長(ホテルニューアワジ社長)、當谷三郎・兵庫県旅館ホテル生活衛生同業組合理事・行政連携委員会委員長(元湯龍泉閣専務)、旅行業からは、高山傑・スピリット・オブ・ジャパン・トラベル代表が名を連ねた。
会議の冒頭であいさつした齋藤元彦知事は、万博後を見据えた取り組みの必要性を示唆。特に、質より量を求めることによるオーバーツーリズムの回避と、生産性向上だけでなくBCPの観点からも重要になってくるDXの推進、旅行者の閑繁期の波の平準化策づくりの3点をポイントとして挙げた上で「前半2年を受けて後半2年をどうやっていくのか、ご意見を頂きたい」と話した。
委員を代表してあいさつした古田座長は「世界的には訪れる人にとっても地域の人にとってもウェルネスであることが重視されつつある。アフター万博はもちろん、2030年のSDGsの先、『ビヨンドSDGs』といった言葉も出てきているので、そのような視点も持ちつつご意見を頂きたい」とした。
会議では、兵庫の観光地としての強みの洗い出しと、これに合わせたターゲティング、各ターゲットに合わせたブランディングやプロモーションの方策について、委員がそれぞれの意見を発表。サステナブルツーリズムの国際指標へのチャレンジの必要性や、広域で多様である兵庫県の価値をグローバル化の中でどう具体的に示していくのか、また本質を理解する富裕層をターゲットにする上での、高品質な有料ガイドの重要性などについて意見が交わされた。
齋藤知事らが出席した第1回会議