【にっぽんの温泉特集】今、話題の温泉地 鹿児島県・霧島温泉


秋の霧島神宮 鮮やかな赤が映える

 日本各地に点在する温泉地は、長い年月をかけて人々の心と体を癒やしてきた。自然環境や泉質、歴史、地域文化といった多様な要素が織りなす温泉の魅力は、今もなお、進化を続けている。今回は、注目すべき話題の11温泉地のそれぞれの特色と旬の情報を紹介する。

大自然に囲まれて湯めぐりを満喫

 瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が高天原から地上に降り立ったとされる「天孫降臨」伝説の地、霧島。  

 日本で初めて国立公園に指定された霧島山や、霧島温泉郷、霧島神宮温泉郷、妙見・安楽温泉郷、日当山温泉郷など、多くの温泉郷を有し、雄大な自然と多彩な温泉を楽しめる。

 泉質は、単純温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、含よう素泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉と実に豊富。全国屈指の泉質数を誇り、九州でも指折りの観光地といえるだろう。

 霧島山の南西に点在する「霧島温泉郷」は大小九つの温泉からなり、霧島最古の岩風呂といわれる「目の湯」や、幕末の志士・坂本龍馬が愛妻のおりょうと新婚旅行に訪れた温泉で有名だ。一部の温泉は飲用することもでき、体の外と中、両方で温泉の癒やしを享受できる。


大空の下、開放感を味わう露天風呂

 湯めぐりをした後は地元産の名物でエネルギーを補給するのがおすすめ。

 霧島温泉の中心、丸尾エリアにある霧島温泉市場では、霧島の特産品として有名な霧島茶や黒酢製品、芋焼酎などのほか、手作りの地場産品や豊かな自然に育まれた新鮮な野菜などを購入できる。

 「蒸しもの販売所」は温泉の蒸気で蒸しあげた卵や野菜、温泉まんじゅうなどをテイクアウトできる。1時間かけてじっくり蒸される温泉卵は格別の味。

 施設内にある有料の「湯けむりの里・足湯」(含硫黄ナトリウム塩化物泉)では、ソフトクリームを食べながらゆったりとした時間を過ごす人も多いという。

 標高が高く、国民保養温泉地にも指定されている霧島温泉は四季折々の自然を楽しめるのも大きな魅力。

 春にはノカイドウをはじめとした花々が咲き誇り、山の新緑が目にまぶしい。春から夏にかけてはミヤマキリシマの花が山肌を紅紫色に染め上げる。秋には紅葉が山を彩り、冬には樹氷がそびえ立つ。四季によって表情を変える自然を間近で味わえると登山やトレッキングが人気だ。

 霧島山の第2峰、高千穂峰は坂本龍馬とおりょうも登ったといわれることで知られている。標高1411メートルの高所に位置する火口湖、大浪池は気軽にトレッキングを楽しめると評判だ。

 2024年3月にリニューアルオープンしたJR霧島神宮駅は、霧島温泉郷の最寄り駅の一つ。鹿児島県産のスギをふんだんに使用した内装が特徴で、温かみのある駅舎となっている。改札口には鳥居がデザインされており、霧島神宮へ参拝に訪れる人を出迎える。


秋の霧島神宮 鮮やかな赤が映える

 多くの神話が残る霧島温泉で、日々の喧騒を離れ、さわやかな夏を楽しむのはどうだろうか。

 
 
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