
表紙
文教大学教授の著者が、まだ研究蓄積の少ない「コンテンツツーリズム」の真髄に迫る本書。
コンテンツツーリズム(以下コンツー)とは、小説、映画、テレビドラマ、マンガ、アニメ、ゲームなどのコンテンツが観光誘因となって、作中のモデル地などの所縁の地を巡る旅のことを指す。著者によれば、昨今「聖地巡礼」ともいわれるこの行動が、韓国や中国国内で黎明期を迎えているという。
経済の活性化に大きな影響を及ぼす観光産業のうち、重大な役割を占めるようになってきたコンツーだが、日本の優位性を保つためには何が必要なのか。
本書では6章建てで、コンツー行動の定義や要因などから丁寧に解説、日本の人気コンテンツを例示して行動の実証分析を記載。東アジア市場との比較検討や日本市場の行く末など、徹底的に考察している。
日本全体の経済活性化はもちろん、地域再生にもつながりうる可能性を秘めるコンツーを深く学べる良書。
定価税込み2970円。253ページ。発行=水曜社。
表紙