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夏休みシーズンに突入した。観光地が多くの人でにぎわい、観光業界が潤うことを期待したい。
JTBの調査によると、夏休み(7月15日~8月31日)期間に国内旅行を予定している人は前年比0.3%増の7220万人、旅行費用は同4.5%増の4万6千円となっている。
費用はコロナ禍前と比べて1万円ほど高くなり、同社は「物価高で価格自体が上昇していることや、北海道、沖縄などの遠方の人気もあり、昨年より上昇の見込み」としている。自然が多く、静かな場所で、日々の喧騒(けんそう)から離れ、心身ともにリラックスしたいという傾向が強いという。
人気の方面は大阪・関西万博が開催中の京阪神や、テーマパーク「ジャングリア沖縄」が7月25日開業予定の沖縄のほか、瀬戸内国際芸術祭2025の開催やテレビドラマの影響などもあり、中国・四国も例年より増加傾向にあるという。
また、調査会社インテージが15歳から79歳の男女5千人を対象に実施した夏休み期間(7月19日~9月30日)に関するアンケート調査によると、期間中の予算は平均5万7284円で、前年比2.2%減となった。2023年の6万146円をピークに2年連続の減少。物価高による節約志向が広がっているのがうかがえる。
過ごし方(複数回答)を聞いたところ、「自宅で過ごす」が37.5%と最も多く、次いで「国内旅行(宿泊あり)」の18.3%、「ショッピングや食事など」の17.2%の順。
キャンプやバーベキュー、テーマパークなど屋外アクティビティを予定している人の割合は減少し、「猛暑のために暑いところで過ごすのを控えるという、一層の防衛意識」と同社はみる。
興味深いのは、「今年の夏休みがもし猛暑でなかったら」と仮定して希望する過ごし方(理想)を聞いた調査項目だ。
理想と現実のギャップが最も大きかったのはテーマパークで、予定者の3.5倍が希望していた。万博は2.4倍である。
気象専門家によると、今年の夏も猛暑で、体感としては熱帯よりも熱いという。毎年のように「観測史上最も暑い夏」を更新しており、猛暑はいまや当たり前。夏の時期も長くなっているような気がする。秋の到来が遅く、期間も短くなっていると感じる。
盛んに出されている「熱中症警戒アラート」。不要不急の外出を控えるよう呼び掛ける。危険を回避するには仕方がない面もあるが、猛暑、酷暑は観光業にとって何とも悩ましい現実だ。
避暑地の人気はうなぎのぼり(京都・貴船の川床)