
観光庁が宿泊旅行統計調査の2024年(年間値)の確定値を発表した。全国の宿泊施設における24年の外国人延べ宿泊者数は、23年比39.7%増、コロナ前の19年比42.2%増の1億6447万人泊で過去最高となった。全体に占める外国人宿泊者の割合は25.0%に達し、4人に1人が外国人客を占めた。ただ、外国人の滞在先は大都市圏が約7割、地方部が約3割で地域差が目立っている。宿泊施設タイプ別の宿泊先では旅館よりホテルの利用が多くなっている。
滞在先は関東42%、近畿28%…東北や中国は1%代
外国人延べ宿泊者数を都市・地方別に見ると、いずれも前年、コロナ前から大幅に増加している。三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が1億1360万人泊となり、19年比56.5%増、23年比35.0%増。一方の地方部(三大都市圏以外)は5086万人泊で、19年比18.0%増、23年比51.5%増となった。
大都市圏の伸び率が高く、大都市圏への集中が強まった。構成比は三大都市圏が69.1%(19年比6.4ポイント上昇)を占め、地方部は30.9%(同6.4ポイント下降)となった。
訪日外国人の滞在先は、大都市部や有名観光地を有する地域に集中する傾向がある。外国人延べ宿泊者数が多い都道府県の上位10位(カッコ内は23年比)は、(1)東京都5680万人泊(30.2%増)(2)大阪府2539万人泊(35.4%増)(3)京都府1694万人泊(39.6%増)(4)北海道1031万人泊(44.6%増)(5)福岡県739万人泊(46.6%増)(6)沖縄県694万人泊(55.0%増)(7)神奈川県442万人泊(37.0%増)(8)千葉県441万人泊(36.9%減)(9)愛知県391万人泊(94.4%増)(10)山梨県255万人泊(79.5%増)。
地方ブロック別に見ると、地域差はさらに際立つ。地方運輸局などの管轄別の外国人延べ宿泊者の割合は、最多の関東(8都県)が42.3%、次ぐ近畿(6府県)が27.6%、合わせて約7割に達する。以下は九州(7県)が7.4%、北海道が6.3%、中部(5県)が4.9%、沖縄が4.2%、北陸信越(4県)が3.2%。東北、中国、四国は1%台で、中国(5県)1.7%、東北(6県)が1.4%、四国(4県)が1.0%だった。
施設タイプ別外国人宿泊先、旅館のシェアは6%
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