【にっぽんの温泉特集】今、話題の温泉地 群馬県・草津温泉


草津温泉のシンボル「湯畑」

 日本各地に点在する温泉地は、長い年月をかけて人々の心と体を癒やしてきた。自然環境や泉質、歴史、地域文化といった多様な要素が織りなす温泉の魅力は、今もなお、進化を続けている。今回は、注目すべき話題の11温泉地のそれぞれの特色と旬の情報を紹介する。

継続的な町づくり 草津温泉に”完成なし”

 草津温泉(群馬県草津町)は、自然湧出量で日本一を誇る温泉だ。毎分4千リットルの温泉が湧き、温泉街の中央に位置する「湯畑」は湯けむりが立ち上ぼる草津温泉のシンボルで、夜間のライトアップも美しい。旅行会社のスタッフなどが投票する「にっぽんの温泉100選」では22年連続で1位を獲得している。


草津温泉のシンボル「湯畑」

 最近では草津温泉観光協会が発信するショートドラマ動画が話題となり、若者からも注目されている。幅広い年代の旅行者や温泉愛好家の人気はもとより、旅行のプロも太鼓判を押す日本を代表する温泉地となっている。

 草津温泉が幅広い支持を集める最大の要因は、草津町を中心に官民一体で行われてきた継続的な町づくりにあるといわれる。この10年ほどの町づくりの歩みを紹介してみよう。

 2013年には、草津三湯の一つ、共同浴場の「御座之湯」を再建。高品質な木造建築を使用し、湯治文化を現代に再現した。14年には、「湯路広場」を整備。広場の外周を木造建築物で囲み、浴衣姿でそぞろ歩く昭和レトロな風情を再構築した。15年には、「熱乃湯」をリニューアル。古くからの共同浴場が大正ロマン風のたたずまいとなり、湯もみと踊りのショーが見られる施設に生まれ変わった。

 18年には、園内のいたる所から温泉が湧きだす「西の河原公園」の再生事業が完了。露天風呂、灯路などを整備し、季節を問わず散策が楽しめるようになった。21年には「裏草津地蔵」をオープン。湯畑エリアが表草津であれば、地蔵エリアが裏草津。裏草津地蔵エリアには、「地蔵カフェ 月の貌(かお)」をはじめ、アート作品の製作が体験できる「百年石別邸」などの新スポットが誕生した。

 23年には、温泉街入り口の慢性的な渋滞を解消する道路の立体交差化と、玄関口としての景観整備、この両方を実現させた「温泉門」が完成した。温泉門の外壁には木彫のデザインを施し、広場に足湯も整備、夜間のライティングも実施している。

 草津温泉のもう一つの顔である山岳リゾート、スノーリゾートとしての整備も進めている。23年には草津温泉スキー場に、床の一部を透明化した通年営業の「パルスゴンドラ天狗」が稼働開始。また、山頂部には本格的なすしなどが堪能できる展望レストラン「クリスタル天(そら)」がオープンした。

 草津町の年間の入込客数の目標は400万人。町づくりに終わりはない。現在も、修景事業や利便性向上のための整備事業などが進行中。草津温泉スキー場では、天狗山レストハウスのリニューアル事業が進んでおり、この冬には完成する予定となっている。


この冬にリニューアルオープンする天狗山レストハウスの完成イメージ

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒