阪急交通社&国内旅行推進協力会 会長らに聞く「会社に求めること」


村木会長

地域活性の鍵は「需要平準化」 欧米豪の誘致に期待

 阪急交通社(酒井淳社長)は7日、国内旅行推進協力会(5738会員)の2025年度役員総会を東京都内で開いた。1999年の発足以来、初めてメディア向けに公開。総会前には、村木營介会長(矢太樓)、前田健二副会長(北陸福井あわら温泉美松)、田中雅彦副会長(下電観光バス)に対し記者団による共同インタビューが行われた。記者団との主なやり取りは次の通り。


(左から)前田副会長、村木会長、田中副会長

――昨今の国内旅行の現状をどのように捉えているか。

 村木 地域差はあるが、インバウンドを含めにぎわっている。ただ、われわれ宿泊業は在庫(の融通)がきかない商売だ。コロナ禍で受けた損失は取り戻すことができない。都会は需要が平準化されていると思うが、地方は季節波動の影響が大きい。

 田中 バス業界も、オンシーズンとオフシーズンの差が大きすぎる。オンで稼いだ分、オフでいかに耐えるかという状況が続いている。こうした傾向は地方と都会で差が大きくなっている。ただ、インバウンド需要を捉えている会社は、地方でも良い状況になっている。時代の変化に対応できていない会社が苦しい思いをしている。

 ――阪急交通社に期待することは。

 前田 阪急交通社は、地方の活性化という意味で自治体連携を頻繁に行っている。旅行の平準化をするためにも、平日訴求の得意な阪急交通社の役割は大きい。ヨーロッパからの集客にも強いので、欧米豪のお客さまを協力会の会員施設に誘客してもらいたい。

 村木 協力会の会員数は例年増加傾向にあり、会社に期待するところは大きい。25年度の企画旅行の送客目標を220万人に、手配旅行も25万人あまりにすると約束をいただいている。契約施設のわれわれは、それに上乗せしながら、お客さまを集めていけるような仕掛けを作っていきたい。

 田中 阪急交通社は、コロナ禍をしっかり乗り切った会社だ。メディア商品は、業者側で商品造成できることが魅力的で、需要も平準化できる。オフシーズンの商品をしっかり造成していただくことで、施設が耐えられるようになる。教育旅行も伸びている分野だ。各業界団体が学生団体の平準化への要望も自治体に働きかけているが、学生団体が動くことで、業界には大きな効果があると思う。

 
 
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