
クリエイティブリゾートは18日、富士河口湖町船津に本格ハラル和食コースレストラン「いだ天別邸」を開業した。ムスリム(イスラム教徒)観光客の増加に対応し、ハラル認証に準拠した和食を提供。宗教上の食の制約を持つ訪日客に配慮した、インバウンド需要に応える新たな試み。
富士山の絶景とハラル和食の融合
レストランは富士山を望む通り沿いの好立地に位置し、カウンター席6席を含む全18席を設置。店内は自然素材を基調とした落ち着いた内装で、日本の美意識とモダンな快適さを融合させた空間となっている。
ムスリム客に配慮し、礼拝室を完備。メニューは豚肉やアルコール、味醂などの調味料を一切使用せず、ハラル認証(7月中取得予定)に準拠した食材と調理過程を徹底している。専用調理器具と区画を使用することで交差汚染を防ぐなど、安心・安全な食事を提供する体制を整えた。
礼拝室
提供されるコース料理は9,000円から75,000円(税抜き)の価格帯で、「和みコース」「匠コース」「OMAKASEコース」「雅コース」「頂コース」を用意。ベジタリアン対応の「旬菜コース」(18,000円、税抜き)も提供する。メニュー内容は、胡麻豆腐や湯葉のお刺身などの前菜、鮑やズワイガニの天ぷら盛り合わせ、海の幸しゃぶしゃぶ、厳選和牛の陶板焼きやすき焼き、特選和牛寿司、季節のフルーツやデザート盛り合わせなど多彩だ。
主要ターゲットは、ハラル対応の本格的な食事を求めるムスリム旅行者と、上質な食事を重視する富裕層。国産高級和牛(神戸ビーフなど)の厳選食材を使用した特別コースを提供し、旅行代理店やハラル専門プラットフォーム、富裕層向けツアーとの提携を通じて顧客獲得を目指す。
ハラル国産和牛のしゃぶしゃぶ
一般社団法人JHCPO副理事長のJohan Julis氏は「多くの店がムスリムフレンドリーという自主的対応にとどまる中、完全ハラール化を目指す本格派。JHCPOによる従業員教育も徹底。信仰を重視する旅行者や在日ムスリムが心から安心して食事できるお店です」とコメントしている。
店舗は富士急「河口湖駅」から徒歩4分の場所に位置し、営業時間は11:00〜22:00(コースLO20:00/アラカルトLO21:00)。年中無休で運営される。予約は7月9日から受付開始し、自社サイトやOTA経由で前日までの事前決済制を導入している。
なお、クリエイティブリゾートは富士吉田市松山に本社を置き、飲食店経営(レストラン事業)、土産品製造・販売事業(ファクトリー事業)、体験施設運営(エクスペリエンス事業)を展開。2025年度6月期の売上高は7億円を見込んでいる。
エントランス
店内(パース)