
「サマーフェスティバル」での特別公演では、さまざまな演目が披露される
日本各地に点在する温泉地は、長い年月をかけて人々の心と体を癒やしてきた。自然環境や泉質、歴史、地域文化といった多様な要素が織りなす温泉の魅力は、今もなお、進化を続けている。今回は、注目すべき話題の11温泉地のそれぞれの特色と旬の情報を紹介する。
夏の人気イベント、今年も盛大に開催
下呂温泉(岐阜県下呂市)は「日本三名泉」の一つで、2024年度の「にっぽんの温泉100選」では第3位となった。2020年以降4年連続で3位内にランクインしており、旅行会社の社員が注目する国内屈指の温泉地だ。
泉質は単純泉(アルカリ性単純泉)で、リューマチや病後・疲労回復、神経症などに効能がある。滑らかな肌触りは美容や健康づくりにも優れた効果があり、女性好みの湯といえる。
女性好みの温泉(水明館)
三つの共同浴場で外湯が楽しめる。無料の足湯も8カ所設置され、散策の途中で気軽に入れるのも魅力。お得な「湯めぐり手形」を購入すれば3軒で入浴することができ、旅の記念や土産にもピッタリだ。
JR下呂駅を下車してすぐの温泉街をぶらぶらしながら、食べ歩きするのもいい。飛騨牛を使った「すきやきコロッケ」やソフトクリームの上に温泉たまごがトッピングされた「温玉ソフト」、最近では「下呂プリン」も人気。
欠かせないのが飛騨牛だが、注目されているのがジビエ料理。県は「ぎふジビエ」加盟店登録制度を設けているが、下呂温泉では水明館が登録されており、絶品のジビエ料理が味わえる。
自然豊かな環境を思い切り楽しむアクティビティも充実。ウェットスーツに着替えてシャワークライミングが楽しめる小坂の滝めぐりや、東仙峡金山湖でのカヤックやSUP体験などで猛暑から解放されよう。
クアオルトウォーキングもおすすめ。健康づくりのためのウォーキングコースは下呂市内に2コース設置されている。
下呂温泉は、温泉やグルメ以外にも多様なイベントを実施している。
今年7月19日から8月16日までの毎週土曜日には、「サマーフェスティバルin下呂温泉」を白鷺橋周辺で開催(8月2日は開催なし。8月4日月曜日に開催)。地元の屋台が多数出店し、太鼓やダンス、バンド演奏など、毎週異なる催し物が楽しめる。
「サマーフェスティバル」での特別公演では、さまざまな演目が披露される
また8月1日からの4日間は、夏最大の人気イベント「2025年下呂温泉まつり」も開催。5頭の龍が光と炎の中を乱舞する「龍神火まつり」をはじめ、下呂温泉の趣向を凝らしたみこしが夜の温泉街を練り歩く「湯の華みこしパレード」、「下呂おどり」などが行われる。3日には、全国花火競技大会で「内閣総理大臣賞」を受賞した花火師による「下呂温泉花火ミュージカル夏公演」も実施。コンピューターを駆使して音楽のリズムに合わせる演出が特徴で、約1万発の花火が温泉街の夜空を彩る。