日本ホテルバーメンズ協会、「カクテルコンペティンション2025」を博多で開催


厳しい支部予選会を勝ち抜いた20名の選手たち

 一般社団法人 日本ホテルバーメンズ協会(HBA、会長:野田 浩史氏)は7月13日、国分グループ本社株式会社との共催で、創作カクテル日本一を競う「第11回 HBA/KOKUBU カクテルコンペティンション2025」をホテルニューオータニ博多(福岡市中央区)にて開催した。九州で初開催となった今大会には400人を超える来場者が詰めかけ、全国から集結したトップバーテンダーたちの華麗な技と、珠玉のカクテルに酔いしれた。

 

 栄えある優勝と、最も優れた技術を披露した選手に贈られるベストテクニカル賞のダブル受賞に輝いたのは、salon Bar Thistle(京滋奈支部)の山形 昇司氏。創作カクテル『セレニテドール』~魅惑のひなた~で頂点に立った。

優勝&ベストテクニカル賞のW受賞 山形昇司さん(中央)

 

テーマは「PERFECTLY PARTNERED」~フードペアリング~

 今大会のテーマは、食事と共に愉しむカクテル「PERFECTLY PARTNERED」。参加選手は、HBAバーテンダー認定資格以上を持つプロフェッショナルバーテンダーたち。国分グループ本社が取り扱う酒類をベースに、時代を超えて愛され続けるクラシックカクテルに現代的魅力を加えた「ネオクラシックカクテル」を創作した。

 

 さらに、今回のコンペティションの最大の特徴は、カクテルの味わいや技術に加え、課題フードとして提供された国分グループの『K&K缶つま 宮崎県産 日南どり 炭火焼き』とのペアリングが審査対象となる点だ。カクテル単体の完成度だけでなく、食との相性までもが問われる、まさに日本唯一無二のコンペティションといえる。

厳しい支部予選会を勝ち抜いた20名の選手たち

 

九州初開催に期待の声、カクテルは観光コンテンツに

 全国応募総数122作品の中から、厳しい支部予選会を勝ち抜いた20名の精鋭が、日本一の座をかけてその技術と感性を競い合った。

 

 開会に際し、HBAの野田 浩史会長は「今回のテーマは『クラシック』。どの仕事にもルーツや教科書がある。我々の業界でも食の多様化が進んでいるが、改めて伝統や価値を見直し、本日お集まりの皆様とカクテルを通して新しい魅力を確認したい」と挨拶。大会の意義を強調した。

開会挨拶 HBA野田会長

 

 来賓として、また味見審査員としても参加した九州運輸局の進藤 昭洋観光部長は、「2011年に観光庁観光産業課在籍時にHBAの総会に参加して以来のご縁。本日、こうして九州の地でご一緒できることに感謝したい」と述べた。さらに、「旅の醍醐味は、美味しい料理と美味しいお酒のマリアージュ。カクテルの味も大事だが、その背景にあるコンセプトやストーリーを重ねていくことが重要。これは観光コンテンツも同様で、文化や歴史のストーリーを重ねることが観光地の魅力につながる。九州各地が観光で競い合うことで全体の魅力が高まっている。カクテル自体も観光コンテンツになりうるものであり、選手の皆さんには大きな期待をしている」と、九州における開催への熱い期待を語った。

来賓挨拶 九州運輸局 進藤観光部長

 

緊張感あふれる競技、求められる高度な技術と味覚

 競技は、事前準備75秒、実技6分の制限時間内に、5杯のカクテルを完成させるという厳しいルール。技術審査員3名が「バーテンダーとしての礼節・身だしなみ」「美しい立ち振る舞いと高度な調合テクニック」「作品の完成量の過不足」などを減点法で厳しくチェックした。

 

 一方、味見審査は、九州運輸局の進藤部長、HBAの野田会長、ワインアンドカルチャーの田辺 由美氏、前回大会チャンピオンの荒木 陽芳氏ら5名の審査員が、選手の実技が見えないブラインド席で実施。これにより、先入観なく純粋にカクテルの見た目、香り、味わい、そして「K&K缶つま」とのペアリングを評価する、極めて公平かつ高度な審査が行われた。

 

 会場内に設けられた「缶つまブース」で国分グループのスタッフは、「昨今の人手不足で、ホテルバーでも調理人を確保できないケースが増えている。そんな中で、缶詰にひと手間加えるだけで魅力的な一品を提供でき、バーの付加価値を高めることができる」と、フードペアリング提案の背景にある現代的な課題と解決策を語った。

 

総評「カクテルとフードの調和、そしてクイックサービス」

 結果発表前には、HBA副会長で今大会の競技委員長を務める髙野 勝矢氏が審査員を代表して総評を述べた。「コンペティションなので甲乙をつけるのに大変苦労したが、純粋に美味しいカクテル、そしてフードとのペアリングの素晴らしさを評価した」と審査の難しさを語った。

 

 さらに選手へのアドバイスとして、「カクテルとフードを一緒に口に含んで、その味わいや相性、調和を確かめるアプローチも有効ではないか」とフードペアリングの審査ポイントを解説。技術面では、「今回は5杯分を同時にシェイクするため(※通常は1杯分)、ストロークが短い選手は評価が下がったこと、また、制限時間より早く完成させた選手は高く評価したことを説明。近年は海外からのお客様も増え、クイックサービスが求められる現場の状況も考慮している。」と、実務に即したグローバルな視点からのアドバイスを送った。

技術審査員の前で緊張感ある競技を行う選手たち

 

結果発表・表彰式

厳正なる審査の結果、各賞の受賞者が発表された。

大会の主な結果は次のとおり。

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