
連携開始の記念撮影に臨む両社の代表ら
地域文化を体験できる「界」など対象
旅行・体験予約アプリ「Klook」(クルック)はこのほど、星野リゾート(長野県軽井沢町)と連携し、訪日観光客の地方都市への旅行促進・分散化を目的とした新たな取り組みを始めた。7月11日には連携の第1弾として、全国の交通チケットと星野リゾートの宿泊施設を組み合わせた宿泊パッケージ「Stay+(ステイプラス)」を同日に発売。交通と宿泊を一体で予約できる体制を構築し、訪日客にとって従来アクセスが難しかった地域への誘客促進を図る。
クルックは2014年に創業。世界中の観光・交通・通信・宿泊を予約できる旅行・体験予約アプリで、世界中の観光施設チケットやツアー、交通機関、Wi-FiやeSIM、レンタカー、ホテルに至るまで、旅先で必要なものを提供している。17年には日本法人を設立し、これまでJTBやJR西日本、小田急電鉄など多数のパートナーと提携。180カ国以上のユーザーに日本の魅力をアピールしている。
昨今の訪日旅行市場では、都市部だけでなく日本各地の自然や文化を体験したいというニーズが高まっている。一方、実際には地方部へのアクセスの難しさや、言語の壁による予約情報の不足、観光商品の選択肢が限定されているといった課題があり、訪日客が都市部に集中する要因の一つとなっている。
そこで両社は、地方での滞在と移動の障壁を下げる新たな取り組みをスタート。その第1弾として、星野リゾートの宿泊施設に交通チケットなどを組み合わせた「Stay+」パッケージをKlook上で発売した。
特に、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」は、地域ならではの文化体験や温泉を提供するなど各地域の魅力を体感でき、現在国内で21施設を展開。訪日観光客にとってはアクセスが難しいという課題のあった「界」施設と交通手段をセットで提供することで、訪日客の滞在促進が期待できるという。
今後は「リゾナーレ」などでも拡大を予定
両社によると、今後は「リゾナーレ」など星野リゾートの他ブランドや、日帰り旅行・体験商品との連携などへと拡大予定としている。
クルック日本法人ゼネラルマネージャーの増田航氏は、「世界中のユーザーに星野リゾートの魅力を“地域全体をめぐる旅”として交通とともに届けることが可能になる。都市部に集中しがちな訪日観光を、より多様で豊かな体験へと広げていけるよう、そして日本の観光業界全体の発展にも貢献できるよう、今後も地方誘客に取り組んでいく」とコメントしている。
連携開始の記念撮影に臨む両社の代表ら。(左から)Klook Travel Technology Limited CCO (最高商務責任者) ウィルフレッド・ファン氏、星野リゾート代表・星野佳路氏、Klook日本法人ゼネラルマネージャー・増田航氏