
サウナと森林浴でととのう
石川県白山市の「一里野高原ホテル ろあん」では、霊峰白山のふもとで育まれた地物食材を使用した料理が好評だ。
使用する食材はこだわりぬいたオーガニックで無添加のもの。10年前から地物食材の仕入れに注力してきた。自家農園や自家養蜂に取り組み、ハチミツやしょうゆなどの調味料も自家製を使用する徹底ぶり。田んぼは自然栽培で、肥料さえ与えていないという。農薬を一切使用しないため、清らかな水をたたえる田んぼには6月下旬からヘイケボタルが飛び交う。
社長の山崎太一朗氏は「自然栽培を始めてから水が奇麗になったことで、ヘイケボタルが飛ぶようになった。田んぼの用水にはゲンジボタルも繁殖しており、ホタルの『源平合戦』を見られる、全国的にも珍しい場所だ」と話す。
一里野温泉の源泉は2021年に山の崩落、22年に線状降水帯による豪雨で甚大な被害を受けた岩間温泉。破損した配湯管は今も復旧のめどが立っていない。
温泉が利用できないため、テントを設置して大浴場をサウナに転換した。地物のクロモジを蒸留したロウリュ水でのセルフロウリュが可能。
サウナを利用しない人には貸し切り風呂を無料サービスにしている。白山の伏流水を沸かしたお湯は温泉のようだといわれることも。森に囲まれた露天風呂では鳥のさえずりや虫の音に耳を傾けながらリラックスできる。
「温泉での入浴ができない分、お客さまに喜んでもらえる工夫を多方面から凝らしてきた」(山崎社長)。
食事は能登牛やジビエ、有機野菜などの旬の食材を炭火焼きで味わう「炉端焼きプラン」や、産地直送のA5プレミアム能登牛のみを使用する「石川のブランド和牛を堪能する炭火焼きコース」など、石川の山の幸を堪能できる。
ビーガンやグルテンフリーに対応する食事も提供していたが、6月20日からムスリム向けの宿泊プランも販売している。
客室は露天風呂付き特別室、和室、洋室など。
【30室、1泊2食1万8260円から】
サウナと森林浴でととのう