【VOICE】グローバル人財活用への挑戦 日本旅行 事業共創推進本部 副本部長 グローバル人財活用推進チーム 馬場直樹氏


馬場氏

「五方よし」の理念で持続可能な未来へ

 日本旅行は、新たに「グローバル人財活用推進事業」を開始いたしました。旅行業で培ってきたネットワークとノウハウを生かし、今後の日本社会における深刻な労働力不足への対応として、国内の企業や団体に対しアジア諸国を中心とする優秀な外国人材の紹介・支援を本格的に展開しています。
 
 私たちは、近江商人の精神「三方よし」を現代に昇華させた「五方よし」の理念を掲げています。これは「送り出し国よし(送り出し国の発展と人材育成)」「受け入れ機関よし(企業等の人手確保と組織成長)」「世間よし(地域社会への貢献と多文化共生の促進)」「人物よし(外国人材の尊厳とキャリア向上)」「仲介会社よし(人権に配慮した持続可能な支援体制の構築)」の5者すべてにとって価値あるビジネスを追求するものです。

 当社の提携国はインド、キルギス、ベトナム、ネパールなど多岐にわたり、各国の政府・大学・職業訓練機関と連携し、語学力や専門スキルを備えた人材を日本に紹介しています。特にインドでは、国家技能開発公社(NSDC)とのパートナーシップのもと、介護や宿泊分野で即戦力となる人材を確保。キルギスにおいても、政府や大学と連携し、日本人と親和性の高い接客業向きの人材育成に注力しています。
 
 本事業は、観光立国を目指す日本にとって重要な宿泊・外食分野への労働力供給という側面でも大きな意義があります。宿泊施設における慢性的な人手不足を補い、外国人旅行者への対応力を高めることで、観光産業全体の質の向上と持続的発展に寄与します。多言語対応や異文化理解に優れた人材が現場で活躍することで、地域の魅力をより深く伝えることが可能となり、インバウンド振興にもつながると期待しています。
 
 また、当社は、労働者の失踪や人権侵害といった社会課題にも真摯(しんし)に向き合い、クリーンなリクルートチェーンの構築や受け入れ企業との連携による生活・文化面のサポート、救済窓口の整備など、受け入れ体制の質向上にも力を入れています。
 
 さらに、日本語学習の支援にも積極的に取り組み、提携大学でのオンライン講座の提供や目標に応じた教育プログラムを通じて、実務現場でのスムーズな定着を後押ししています。
 
 私たちは、単なる人材紹介にとどまらず、人と地域、企業と社会が持続的に成長できる「共創」を目指し、引き続きグローバル人財事業を推進してまいります。


馬場氏

 
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