
ユニバーサル備品を設置した一般客室で車いすの室内移動を体験
ホテルのユニバーサル対応の取り組みの実際は―。修学旅行中の愛知県東浦町の中学生が6月25日、大阪エクセルホテル東急(大阪市)を訪問し、宿泊客へのユニバーサル対応について調査学習を行った。生徒たちはハード・ソフト両面でのユニバーサル対応について説明を受けたほか、客室でユニバーサル備品を体験した。
同ホテルを訪問したのは、東浦町立東浦中学校の3年生。同校では24~26日に催行の修学旅行で、SDGsに関する探究学習の一環として、在阪企業への訪問と聞き取り調査を計画。関心のあるSDGsのターゲットごとに班を編成し、47班が35社に分かれて調査学習を実施した。このうちユニバーサル対応をテーマにした1班6人が、同ホテルを訪れた。
約1時間の企業訪問では、伴孝之総支配人からのあいさつに続き、SDGs研修などを担当する横山峻一・客室レセプションチーフらが、東急ホテルズ&リゾーツのパーパスなどを交えながら同館の取り組みを説明。事前に生徒たちが提出した「アクセシビリティ備品導入のきっかけは何か」「視覚障がい者向けの取り組みはどのようなものがあるか」といった質問項目に対しても回答した。
その後ユニバーサル対応客室「アクセシブルルーム」と、特別にユニバーサル備品を設置した一般客室をそれぞれ見学。スイッチ類の位置やベッドの高さ、ドア類の違いなどの説明を受けたほか、浴室用の滑り止めマットやベッド用手すり、車いすなどのユニバーサル備品を使い、入浴動作や室内移動などを体験した。
生徒からは「実際にユニバーサル備品を使ってみることができて良かった」「障がい者や小さい子どもなど、さまざまな人のことを考えてサービスを行っていて、すごい」などの感想が聞かれた。
同ホテルの末永昭子・販売促進マーケティングアシスタントマネジャーによると、SDGsへの関心が高い外国人客が主要客層の同館では、ユニバーサル対応やグリーンコインによる環境保全活動などに積極的に取り組んでいるという。「SDGsについての生徒さんからの問い合わせも、修学旅行の企業訪問受け入れも初めてだったが、私たちも非常に勉強になった。これが当ホテルのSDGsの取り組みを知っていただく一つのきっかけになれば」と語った。
同校では今後、企業訪問の内容などをまとめた上で、生徒一人一人の行動宣言づくりなどを検討しているという。
ユニバーサル備品を設置した一般客室で車いすの室内移動を体験