
長谷川雅士取締役プロフェッショナル事業本部長(左)と清水啓子マーケティング部課長
クラシエ(東京都港区)で宿泊市場向けなど各種業務用製品の開発・販売を多岐に展開するホームプロダクツカンパニーでは、和草のちからで補修&予防する予防美髪ケアの「いち髪」ブランドから「いち髪アメニティシリーズ」を立ち上げ、3月3日から販売。シャンプー、コンディショナー、ボディソープの3点をラインアップし、旅館・ホテルに対して活用を提唱している。
販売に伴い、取締役プロフェッショナル事業本部長の長谷川雅士氏と、同マーケティング部課長の清水啓子氏に、ブランドの開発の背景を皮切りに、商品の特徴やサステナブルへの取り組みといった今後の展開などを聞いた。
健康的な髪を保ち、肌もみずみずしく 高付加価値化、「日本らしさ」アピール
――「いち髪アメニティシリーズ」の開発の背景は。
長谷川 開発コンセプトは「一髪二姿」、まず髪を大切にすることで、そのひとが持つ美しさが引き出される。この言葉にはそんな意味が込められ、すべての人が健康的な髪を保ち、芯から美しい毎日を過ごせたらといった思いで、2006年に旧カネボウのフラッグシップブランドとして、満を持して開発された。年間100億円を超える売り上げを記録している。
今回既存の取引先の宿泊施設並びに、温浴施設から業務用途に特化した「いち髪」ブランドの商品化リクエストに応え、販売に至った。施設の高付加価値化はもとより、急増するインバウンド客に対して、「日本らしさ」をアピールしていただければ。
――製品ラインアップのいち髪アメニティシャンプー・コンディショナー、いち肌アメニティ ボディソープの紹介を。
清水 最大のポイントは何といっても「香り」。一般市場の季節限定品で好評の「春めき(桜)の香り」を採用し、施設では通年使えるようにした。宿泊客は旅先や日常を離れた特別な場所で古来より日本で愛されてきた桜をまとう優雅な時間を堪能できる。
シャンプーおよび、コンディショナーは、日本に古くから受け継がれる和草を長年研究し続け開発した和草のちから、美髪成分「純・和草プレミアムエキス」(補修&予防成分)<サクラ*1、米胚芽油*2、米ぬかエキス>を配合した。髪と地肌にうるおいを与え、乾燥や摩擦などによる髪ダメージを補修&予防する。あでやかで髪の動きさえも美しい、ほどきたくなる絹髪へ導く。
もう一方のボディソープは、うるおいを守りみずみずしくなめらかで美しい絹肌へ導き、髪・身体と統一感のあるおもてなしを提案する業務用のみの逸品。
ボトルデザインは、「施設の空間にどう調和させるか」そして、いかにして「日本らしさ」を表現し、非日常の特別な空間を演出できるかを考えた。
最大の売りでもある香りを想起できる夜桜をモチーフに、奥深い日本の美しさを表現した。
【アプリケータ―450ミリリットル】シャンプー/コンディショナー/ボディソープ
――昨今話題のSDGsへの取り組みについて説明を。
清水 大きく分けて四つの取り組みを行っている。
一つが、売り上げの一部を、「春めき」を通じて目の不自由な方にも桜の香りで「春」の雰囲気を味わってもらおうという一般財団法人「春めき財団」の活動を応援し、社会貢献活動に取り組んでいる。
二つ目が、環境に配慮した米胚芽油を配合したことで、精米時の副産物である米ぬか・米胚芽を再利用した。玄米のわずか1%しか取れない貴重なオイルを鮮度にこだわり仕上げた。
三つ目が、自社として初の試みで、ボトルの有料化を図り、プラスチックの使用量の抑制に取り組む。
そして、ボトルには再生PETを約70%使用し、バッグインボックスおよび、コンディショナーの外装箱にFSC認証紙を採用した。
【POP】スタンドPOP
――日々のメンテナンス作業に対する取り組みについて説明を。
清水 日々の業務の生産性向上に貢献できるようバッグインボックスに当社独自の「手押し窓」を用意した。これは、10リットル商品の箱に、手を入れて中身を押し出すことができる仕様のことで、より早く補充ができるため作業の時短を実現する。
同時に、高粘度コンディショナーにも詰め替えしやすい「新広口ボトル」を採用し、充填(じゅうてん)時に、上から液面が見えるので、内容液があふれる懸念を払拭できる。
【Bag in box10リットル/Refill2千グラム】(上から)いち髪アメニティシャンプー、いち髪アメニティコンディショナー、いち肌アメニティボディソープ
――旅館・ホテルではいち髪アメニティシリーズを採用することで、どういったことが見込めるか。
長谷川 旅館は日本の伝統文化を継承する特別な空間だと自任する。いち髪アメニティシリーズを活用することで、古来より日本で愛されてきた桜をまとう優雅な時間を提供し、より日本文化を強調できると考える。
――今後の展開および、旅館・ホテルへのメッセージを。
長谷川 万葉の時代から、美しい髪を保つために日本の風土が育む自然植物が活用されてきた歴史がある。いち髪アメニティシリーズの開発コンセプトに共感していただける施設の皆さまと共に日本の観光立国の実現に貢献したい。
*1:サクラ葉エキス
*2:厳選された米の研ぎ汁由来成分
クラシエ(ホームプロダクツカンパニー)本社=東京都港区海岸3丁目20番20号▽資本金=50億円▽従業員数=1827人(2024年12月末時点グループ計)▽事業内容=トイレタリー商品(シャンプー&コンディショナー、ヘアスタイリング剤、ボディソープなど)、基礎化粧品、その他日用雑貨の製造、販売、輸出入▽▽連絡先=TEL0120(540)712
設置イメージ
長谷川雅士取締役プロフェッショナル事業本部長(左)と清水啓子マーケティング部課長